震度6強の揺れに襲われた熊本県八代市では27日、倒壊した建物が残る中、中心市街地の本町アーケード街では営業を再開した商店の姿もあった。あの日から1カ月。「少しずつ元気になれば」と前を向く声が上がる一方、「先のことは考えられない」と話す人もおり、商店街は岐路に立っている。
「小松菜50円、オクラ100円。安かばい!」と声を張るのは、青果店「やさい村」店主の谷次雄さん(75)。「店を守るために頑張らないと」と意気込む。妻勝代さん(71)も「近所で声を掛け合っている。再開して商店街が少しずつ元気になれば」と笑顔を見せた。
学生服を取り扱う「しょうの」の庄野明子さん(60)は「ガラスが散乱し店内は歩ける状態ではなかったが、お盆明けになんとか再開できた」と振り返った。秋の衣替えも控えるが客足は遠いといい、「廃業したい人の気持ちも分かる」と漏らした。
商店街は人通りがまばらで、ひび割れや壁の崩落が目立つ。「キケン 近寄るな」などの紙が張られ閉じられたままの店も多い。染物店の女性(69)は「家も作業場もつぶれた。3代続いたので体力のあるうちは続けたいが、今は先のことは考えられない」とうつむいた。
買い物に寄った近所の女性(74)は、自宅が倒壊したため引っ越す予定だ。「50年以上住んだ場所やけん、離れるのはさびしかね」とつぶやき、帰路に就いた。
〔写真説明〕中心市街地の本町アーケード街で崩れた店を見詰める人=27日午前、熊本県八代市
〔写真説明〕中心市街地の本町アーケード街の青果店「やさい村」で野菜を販売する店主の谷次雄さん(右)=27日午前、熊本県八代市
〔写真説明〕中心市街地の本町アーケード街で学生服を取り扱う「しょうの」を家族で営む庄野明子さん=27日午前、熊本県八代市
〔写真説明〕被災した中心市街地の本町アーケード街=27日午前、熊本県八代市