退職自衛官支援庁、27年度にも=成り手不足解消狙う―防衛省検討

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 防衛省は退職自衛官やその家族を支援する「退職自衛隊員・家族支援庁」を早ければ2027年度に新設する検討に入った。再就職支援や医療サービス提供など、幅広いサポートを一元的に担う組織を想定。退官後の待遇を改善し、深刻化する自衛官の成り手不足の解消を狙う。来年1月召集の通常国会に関連法案を提出したい考えだ。
 防衛省関係者によると、新たな庁設置は小泉進次郎防衛相の肝煎り。小泉氏は自身をトップとする委員会を6月に立ち上げ、米国の退役軍人省などを参考に制度設計を進めている。内閣人事局とも調整を始め、8月末に締め切られる27年度予算案の概算要求に関連経費を盛り込む方針だ。
 支援庁では民間と連携した再就職先のあっせん、メンタルヘルスを含めた医療ケアの提供、家族の就学支援などを行うことを視野に入れる。既に省内で行っている施策もあるが、庁をつくれば「ワンストップで進められる」(防衛省関係者)ようになり、退職自衛官や家族の利便性が増す。
 検討を急ぐ背景には自衛官の成り手不足がある。石破政権時代の処遇改善の取り組みを受け、25年度の採用者は3年ぶりに1万人を超えたが、26年3月末現在、定数24万7154人に対して現員は21万7701人しかおらず、定員割れが常態化している。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、防衛省は45年には自衛官が約13万人まで減少するとの試算もまとめている。
 自衛隊は組織の精強性を維持する観点から若年定年制を採っており、大半が50代後半で定年を迎える。小泉氏は「自衛隊員という職業を選択し続けてもらうためには、誇りを持って、胸を張って、安心して人生を全うできる環境を構築していくことが必要だ」と強調している。
 米国では社会が感謝を込めて軍人や退役軍人を支える文化が根付く。米国在住経験のある小泉氏はこうしたエピソードに折に触れて言及しており、新たな庁の設置を自衛官の社会的地位の向上にもつなげたい考えだ。 
〔写真説明〕退職自衛隊員・家族への支援強化に向けた防衛省の会合で発言する小泉進次郎防衛相(中央)=6月17日午後、防衛省