内閣・党人事、麻生派の処遇焦点=蜜月変化?高市首相の再選戦略左右

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 高市早苗首相(自民党総裁)が9月を念頭に検討する内閣改造・党役員人事は、麻生太郎副総裁率いる麻生派の処遇が焦点だ。首相と党内唯一の派閥の距離感は来年秋の総裁選での首相の再選戦略を大きく左右するためだ。首相と麻生氏の関係がぎくしゃくし始めたとの見方も出る中、政権の今後を占う人事として注目を集めそうだ。
 「反対だが、決めたなら従う」。7月28日、自民党本部。関係者によると、首相が食料品の消費税率を来年4月から2年間限定で1%に引き下げる方針を説明したのに対し、麻生氏はこう応じた。
 麻生氏は昨年10月の総裁選で、派閥票を動かして首相の勝利を後押し。その後の人事で副総裁、幹事長、総務会長の3ポストを自派閥で押さえ、影響力を確保した。以降、党内では麻生氏は首相の「後ろ盾」とみられてきたが、ここにきて蜜月関係に変化が見え始めたとの見方が出ている。
 消費税率維持は財務相経験者の麻生氏の持論。ただ、今回は単なる政策論にとどまらず、悲願である国民民主党の連立政権入りに向けた環境整備の意味合いがあった。関係者によると、麻生氏は国民の玉木雄一郎代表から「1%案はのめない。連立はそれ次第だ」と伝えられていた。
 このため、麻生氏は消費税について折に触れて「国民民主党のことをちゃんと考えろよ」と首相に念押ししていた。しかし、玉木氏に不信感があるとされる首相は最終的に1%案を譲らなかった。自民内の非主流派の一人は「麻生氏の気持ちは首相から離れ始めたのではないか」と指摘する。
 秋の臨時国会では日本維新の会が「改革のセンターピン」と位置付ける衆院議員定数削減法案も焦点となる見通し。玉木氏は同法案に強く反対しており、維新を重視する首相と麻生氏の間で再び緊張が高まる可能性もある。
 今回の人事はその臨時国会が召集される目前に行われる見込み。最大の焦点は麻生氏の義理の弟でもある麻生派の鈴木俊一幹事長の処遇だ。首相は鈴木氏との間で隙間風がささやかれる一方、自身に近い萩生田光一幹事長代行を幹事長に起用したいのが本音ではないかとの見方がくすぶる。
 麻生氏は財務相ポストを要求するとの見方も浮上する。現在、麻生派の閣僚ポストは1。このため「麻生氏は減税に伴う財政不安を払拭しようと、財務相に『麻生印』の人物の起用を求めるのではないか」(麻生派関係者)というわけだ。
 首相は党内基盤が弱く、60人の派閥を率いる麻生氏との関係がこじれれば、政権の足元がぐらつきかねない。首相周辺は「今回の人事は総裁再選に向けた布石になる。麻生氏を敵に回すわけにはいかない。首相がおかしな人事をしようとしたら反対する」と語っている。 
〔写真説明〕第221特別国会が会期末を前に事実上閉会し、あいさつ回りで自民党を訪れた高市早苗首相(中央)。右から3人目は麻生太郎副総裁=7月24日、国会内