北方領土上陸、人気回復狙う=日本の足元見透かすプーチン氏

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 ロシアのプーチン大統領が13日、北方領土の択捉島を初めて訪問した。日本側がエネルギー資源調達の多角化などで対ロ外交再開を探る足元を見透かし、プーチン氏は反発は限定的だと想定。陰りが見える自身の人気回復を狙って上陸に踏み切った可能性がある。
 プーチン氏は12日、極東サハリン州ユジノサハリンスクで、北方領土のロシア帰属は「第2次大戦の結果に基づく現実」だと断言。翌13日に択捉島訪問を強行した。北方領土を事実上管轄する同州のリマレンコ知事との会談では、ウクライナ侵攻を巡り「ロシア人は勝者の遺伝的コードを持っている」と主張。テレビカメラの前で、訪問とウクライナ問題をあえて結び付けた。
 プーチン政権は5年目に入ったウクライナ侵攻で所期の戦果を挙げられず、行き詰まりを見せている。ウクライナ軍による製油所へのドローン攻撃は、燃料価格高騰など市民生活に直接影響を及ぼし、支持率も低下傾向が続く。9月の下院選を控え、プーチン氏としては「外国に譲歩しない強い指導者」像を改めて打ち出す必要があった。
 一方、日本はウクライナ侵攻下でも対ロ関係の維持を模索。5月には経済産業省幹部らが日本企業と共に訪ロし、ロシア経済発展省の関係者らとビジネス環境について意見交換していた。背景にはイラン情勢の緊迫化でエネルギー安全保障上のリスクが顕在化したことがある。日本はロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」に液化天然ガス(LNG)輸入量の1割弱を依存。プーチン氏側は「厳しい対抗措置には限界がある」と踏んだ可能性がある。
 プーチン氏の北方領土訪問に日本側は強く抗議したが、ロシアの政治評論家ルキヤノフ氏は13日、地元メディアに対し「これは形式的に必要な行動だ」と指摘。「他に何らかの結果が生じることは恐らくない」との見解を示した。 
〔写真説明〕13日、択捉島の水産加工場でイクラを試食するロシアのプーチン大統領(右)(AFP時事)
〔写真説明〕13日、択捉島の学校を訪れるロシアのプーチン大統領(EPA時事)