インドネシアで「反LGBTQ」活発化=大統領、「非軍事的な脅威」と規定

紫外線対策「目の防護」も重要に

 【ジャカルタ時事】インドネシアで「反LGBTQ(性的少数者)」の動きが活発化している。プラボウォ大統領はLGBTQ文化の拡散を「非軍事的な脅威」と規定。人口の9割近くが信仰するイスラム教の団体からは、同性愛行為などに対して刑事罰の導入を求める声が出ている。
 現地メディアは先月、大統領が昨年10月に署名した国防法に関する規定で、LGBTQ文化の拡散を「非軍事的な脅威」と位置付けたと報道。非軍事的な脅威は「国家主権や領土の一体性、国全体の安全を脅かす武器を用いない行為」と定義され、自然災害やサイバー攻撃も含まれる。
 同規定を受け、宗教省はLGBTQ文化の拡散防止に向けた教材作成を計画。イスラム系学校での教育に使うとしている。
 こうした動きの背景には、同国で近年、イスラム保守派の政治・社会的影響力が強まっていることがあるとみられる。イスラム指導者評議会(MUI)幹部は6月末、LGBTQ当事者の性行為や啓発活動を刑事罰の対象とする法整備を提言。理由として、LGBTQが(1)人間の価値と尊厳を損なう(2)子孫の継承を妨げる(3)エイズウイルス(HIV)などの流行につながる―と主張した。
 今月9日には、インドネシア第2の都市スラバヤで、反LGBTQ団体が大規模なデモを実施した。現地メディアによると、参加者は「LGBTQは血迷った思想で堕落した人間の行い」などと訴えるメッセージを手に、当局に規制強化を求めた。
 一方、LGBTQの権利擁護団体「ガヤ・ヌサンタラ」のプルバ・ウィドニャナ代表は、保守的・急進的なイスラム教の影響が強まり、当事者を取り巻く環境は悪化していると指摘。迫害行為も増えており、「法や政策の動向により人々は恐怖心を持ち、自らの存在を隠すようになっている」と懸念を示した。 
〔写真説明〕インドネシアのプラボウォ大統領=7月6日、ジャカルタ(AFP時事)