CAの訓練は「ここまで来た」 JALグループ最新施設「限りなく実機に近い環境を」ってレベルじゃない! 国内初の”訓練方法”も

紫外線対策「目の防護」も重要に

J-AIRが訓練施設をリニューアル。FDAの退役機パーツを再利用し、国内初のMR技術も導入。よりリアルになった訓練環境で、客室乗務員は何を学ぶのでしょうか。

「安全」と「人財」を進化させる新施設

 JALグループで大阪国際(伊丹)空港を拠点とするジェイエア(J-AIR)が2026年7月31日、リニューアルした客室乗務員訓練用モックアップ「J-AIR Training Center」を報道陣に公開しました。この新施設には、フジドリームエアラインズ(FDA)で活躍した旅客機のパーツが再利用されているほか、国内の航空会社では初となる最新技術も導入されています。

 建設工事は2025年10月に始まり、2026年3月に施設が完成。同年4月から新施設での乗務員訓練が本格的に稼働しています。

 リニューアルの大きな特徴は3点あります。1つ目は、FDAの退役機パーツをアップサイクルしたこと。2つ目は、ドアの小窓に機外の状況を画像で投影するシステム。そして3つ目が、国内の航空会社では初となるMR(複合現実)技術を活用した消火訓練の導入です。

 モックアップには、FDAで約13年間運航され、2024年3月9日に退役したエンブラエルE170型機「JA04FJ」の一部パーツが再利用されています。

 具体的には、ドア操作の訓練で使われる重さ約150kgのドアトレーナー(R2ドア)や脱出スライドをはじめ、客室の座席(6列24席)、収納棚、読書灯、サイドウォールパネル、後方のギャレー(厨房設備)やラバトリー(化粧室)のドアなど、多岐にわたるパーツが活用されています。これにより、限りなく実機に近い環境が再現されました。

 J-AIRによると、実機に近い環境で訓練を行うことで、訓練と実運航がシームレスにつながり、突発的な機内リスクへの対応力向上を図るとしています。

「国内初の訓練方法」も

 緊急脱出時、客室乗務員はドアの小窓から外の状況を確認し、そのドアを開けても安全かどうかを瞬時に判断する必要があります。新施設では、タブレットを使い、ドアの小窓に火災や着水、障害物の有無といった様々な状況をリアルな画像で投影できるようになりました。これにより、緊急時におけるより正確な状況判断と対応力の強化を目指します。

 さらに、国内の航空会社では初めて(2026年7月6日、J-AIR調べ)、MR(Mixed Reality:複合現実)技術を活用した消火訓練が導入されました。この技術により、あたかも機内で実際に火災が発生したかのような状況下での訓練が可能になります。消火器を操作する位置や高さ、時間、姿勢などを乗務員が正確に理解し、体得することで、「確かな技術」を身につけることができるとしています。

 J-AIRは、こうした実践的な訓練を重ねることで、サービス品質の向上のみならず「瞬時の状況判断力」を強化。緊急時にお客様の不安な心情に寄り添い、確かな安心感を提供するプロフェッショナルとしてのホスピタリティを深化させるとしています。