モンテディオ山形がJリーグ加盟後初めて“ホーム”で開幕戦を迎えた。2026/27明治安田J2リーグ第1節、栃木シティをホームに迎えた一戦は、山形が2-0で勝利。17,000人を超える大観衆で青に染まったスタジアムで、喜びを分かち合った。
「プレシーズンから積み上げてきたものを、全て良かったわけではないけど、いろいろとトライしてくれた」と横内昭展監督。山形は縦への速さを意識した攻撃で幾度となくチャンスを作ると、その狙いが実を結ぶ。抜け出した氣田亮真がエリア内で倒されてPKを獲得すると、ディサロ燦シルヴァーノが落ち着いて決め、20分に先制に成功した。35分には栃木CのDFシモンズ・エイデンが一発退場となり、数的優位に立つ。なかなか追加点が奪えない時間が続いたが、後半アディショナルタイムにカウンターから新加入の川名連介が決めて勝負あり。記念すべきホームでの開幕戦を白星で飾った。
サッカーでは11人対10人の場合、想像以上にスコアが動かない展開もよくあること。「我慢しながらも、まずは2-0にさせないこと。後半の立ち上がり、選手たちはしっかりと体を張って守ってくれましたし、攻撃に移行した時はゴール付近まで行けていたので、セットプレーも含めてかなり惜しかったと思う」とは、栃木Cを率いる今矢直城監督の弁。一人少ない栃木Cは『4-3-2』の布陣で耐えつつ、吉田篤志らの馬力ある突破やセットプレーで山形ゴールに襲いかかった。
その今矢監督が「相手GKのファインセーブがなければ、同点にするチャンスは何回もあった。最後は2点目で突き放されましたけど、勝ち点1を取れていてもおかしくない内容でした」と手応えを述べつつ、称えたのがこの一戦が公式戦初出場となったGK佐藤瑠星だ。今季、浦和レッズから育成型期限付き移籍で加入した山形の新守護神は、数的優位に立ちながらも1点差で進む痺れるゲームを締めた存在だ。特に58分、59分に迎えた栃木Cのチャンスを連続でビッグセーブ。マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍を見せ、「クリーンシートで終われたというのはすごく嬉しいです。自分のこれまでの準備が結果に表れて、それがプレーにつながったのは嬉しく思います」と充実した表情で振り返った。
佐藤は大津高校、筑波大学を経て、2026年に浦和入り。ガンバ大阪との新シーズン開幕戦でもスタメンを張った40歳GK西川周作の牙城を崩すことはできず、新シーズンから山形への武者修行を決断した。開幕スタメンを勝ち取ると好セーブを連発し、早くも山形のファン・サポーターの心をガッチリと掴んだ。「移籍する前からしっかり試合に出る準備を続けていたので、そういった準備が今日結果に現れて、クリーンシートという形で終われて良かったです」と佐藤。「まだ1試合終わっただけ。もう過去のことなので、すぐに(次節は)アウェイで湘南戦もありますし、自分としてもチームとしてまだうまくいかなかった部分もあるので、しっかり改善して、この勢いのまま波に乗れたら」と見据えた。
横内監督も「今日も彼に助けられたのは、何シーンですかね。結構あったと思いますけど、1シーン、1シーンが彼の自信になって、力になっていると思うので、今後もすごく楽しみにしています」と期待を込める。22歳の新守護神が、山形の新たな“顔”になる可能性を感じさせる90分だった。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
【ハイライト動画】佐藤瑠星が好セーブ!モンテディオ山形vs栃木シティ