陸上イージス代替となる海上自衛隊の新型戦闘艦ASEVの建造が進んでいます。その船体は護衛艦「はぐろ」が小さく見えるほど巨大。搭載レーダーもすでに運用試験に成功しています。
搭載レーダーはすでに試験成功済み
三菱重工長崎造船所(長崎市)で、巨大な船体の建造が進んでいます。これは海上自衛隊の最新鋭戦闘艦であるイージス・システム搭載艦(ASEV)の1番艦とみられるもの。2026年6月29日、その建造が順調に進められていることが確認されました。
今回確認された船体は、艦尾側と思われる構造物に加え、艦橋上部構造も姿を現しています。特に艦橋には、後述する最新鋭レーダー「SPY-7」を搭載するための開口部がはっきりと見て取れ、建造作業が順調に進捗していることがうかがえます。また、隣のドックには護衛艦「はぐろ」が入渠していましたが、それと比較するとASEVの船体がいかに巨大であるかが分かります。
ASEVは、配備が中止された陸上配備型イージス・システム「イージス・アショア」の代替となる艦艇です。基準排水量は1万2000トン、速力は約30ノット(約55.6km/h)とされています。船体の動揺に強く、居住性も向上させる方針が示されています。乗組員は約240人となる見込みで、これまでのイージス艦より20%以上の省力化が図られるのも特徴です。
建造数は2隻の計画で、1番艦は2024年8月23日に三菱重工業と、2番艦は同年9月18日にJMU(ジャパン・マリンユナイテッド)とそれぞれ建造契約が締結されています。
ASEVの戦闘能力の中核を担う装備も、着々と準備が進んでいます。艦の「目」となる最新鋭の艦載レーダーであるSPY-7(V)1については、アメリカのニュージャージー州にあるロッキード・マーティン社の工場で、すでに防衛省への納入が完了しています。
2026年3月には、イージス・システムと連接した状態で模擬弾道ミサイル目標を探知する試験「ステラ―天狗」が実施され、成功を収めました。このSPY-7は今後、日本に輸送され、建造中の船体に搭載される見込みです。
計画では、1番艦は2027年度、2番艦は2028年度の就役を目指すとしています。