中村草太が欧州挑戦へ「臆せず、どんどん挑戦していきたい」  強化部転身アルスラン氏への感謝も「ずっとアドバイスをしてくれた存在」

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 サンフレッチェ広島からリーグ・アン(フランス1部)のル・アーヴルへのレンタル移籍が決まったMF中村草太が20日、メディアの囲み取材に応じ、移籍や広島への思いを語った。

 ル・アーヴルからオファーが届いたのはオーストリアでのキャンプ中。クロアチアのクラブなどからも接触があったが、中村は「まずは5大リーグを一つの目標にしていたので、オファーが届いた時にはもう自分で決めました」とル・アーヴルへの移籍を決断した。「このオファーが来たのも運やタイミングがあって、ご縁もあるものなので、自分としては迷わなかったです」と即決だった。

 初の海外移籍となる中村にとって大きな決断だったはずだが、「トルガイのおかげでもあります」と昨シーズン限りで現役を引退したトルガイ・アルスラン氏の存在が支えとなっていた。アルスラン氏は母国ドイツのハンブルガーSVでプロキャリアをスタートし、トルコ、イタリア、オーストラリアを渡り歩いて、2024年夏から広島で2年間プレー。引退した後はそのままクラブに残り、強化部の国際部スタッフに転身した。中村は、そんな豊富な経験を持つ大先輩に今回の移籍について「ずっと相談していました」と明かす。

「今に限らず、去年からピッチ内のところでも、ずっとアドバイスをしてくれた存在ですし、トルガイもいろんなクラブで活躍してきたので、トルガイの経験はものすごく自分にとってプラスでした。(トルガイからは)『自分で決断することが一番重要』と言われていましたし、クロアチアのチームからもちろん話もあった中で、『(海外移籍の)最初のクラブがものすごく大事だからしっかり考えた方がいい』という話をしてくれました」

 現在23歳の中村は、前橋育英高等学校から明治大学に進学し、大学3年生と4年生のときに2年連続で関東大学リーグ1部の得点王とアシスト王をダブル受賞する快挙を達成。2025年に広島に加入し、ルヴァンカップ優勝に貢献すると、同年夏の東アジアE-1サッカー選手権2025で日本代表に初招集され、香港戦でデビューを飾り、初ゴールも記録した。2026年のJ1百年構想リーグはケガで出遅れたものの、終盤に圧巻の4試合連続ゴールをマーク。半年間の特別シーズンで16試合に出場し、5得点1アシストを記録していた。

 広島で1年半を過ごした中村は、「(思い出は)たくさんありますけど、初ゴールの時や個人チャントができた日、タイトル獲った日、それ以外でもチームメイトとご飯を食べたりとか、1年半という短い間でしたけど、そういった小さな思い出も大きな思い出もたくさんあります」と振り返り、「広島はものすごく温かい街ですし、好きな街です」と笑顔で話した。

 新天地のル・アーヴルは2022-23シーズンに2部優勝で14年ぶりの1部昇格を果たし、1部で3年目の2025-26シーズンは7勝14分13敗の14位で終えた。昨シーズンから日本代表DF瀬古歩夢が所属していて、今月7日には中村の高校時代の2つ先輩であるMF水多海斗がRWエッセン(ドイツ3部)から加入。中村は3人目の日本人選手となった。

 初の海外移籍に「楽しみの方が強いですけど、やっぱり少しの不安もあります」と心境を明かした中村は、「まずは自分の武器や特徴が通用するのかどうかを試したいです」と意気込み、「パリ・サンジェルマンのような名が知れたチームとの対戦はすごく楽しみですし、そういったチームとやるときは臆せず、どんどん挑戦していきたいです」と力を込めた。

 プロキャリアをスタートさせて1年半で欧州へと旅立つ。レンタル期間は2027年6月30日までの1年間。「プロになる前に自分の人生設計として1年半で海外に出るということを紙に書いていました」と思い描いたとおりの段階を踏む中村にとって、試練のシーズンが始まる。「この1年が勝負だと思っているので、本当に死に物狂いでやっていきたいです。うまくいく可能性も失敗する可能性もありますけど、自分で決めた道なので、自分を信じてやっていきたいです」と力強く語った。

取材・文=湊昂大

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