米イラン、衝突逆戻り=高まる軍事的緊張―覚書署名から1カ月

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 【ワシントン時事】トランプ米大統領がイランとの戦闘終結に向けた覚書に署名してから17日で1カ月。原油輸送の要衝ホルムズ海峡で米イランの衝突が再燃し、米国は覚書で停止を約束した海上封鎖を14日に復活させた。イランの核開発制限を含む最終合意に向けた交渉も停滞し、海峡周辺では軍事的緊張が高まる一方だ。
 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ氏が14日にホワイトハウスの作戦司令室で会合を開き、対イラン軍事作戦の拡大について協議したと報じた。主要原油積み出し拠点カーグ島の占領や、これまで攻撃の対象となっていない地下核施設があるとされる中部「ピックアックス山」爆撃、エネルギー施設の攻撃などが議題になったという。
 トランプ氏は、ホルムズ海峡開放を実現するため、覚書の中で原油禁輸の緩和などで譲歩したにもかかわらず、イランが商船攻撃を続けていることにいら立ちを強めている。
 米シンクタンク中東研究所のアレックス・バタンカ上級研究員は、覚書が事実上破綻したことについて「曖昧な文書で、14項目全てで米イラン双方が独自に解釈することが可能だった」と分析する。イランは、事前連絡なしにホルムズ海峡を航行するのは覚書違反だと主張。署名から1週間ほどで商船攻撃を開始した。
 一方、米中央軍は11日以降、連日イランへの攻撃を行い、港湾への海上封鎖を再開した。トランプ氏は14日、「来週は彼らにとってひどいことになる」と述べ、発電所や橋に攻撃を拡大すると警告した。ただ、大規模作戦の再開や地上部隊の派遣を避けたいのが本音で、軍事的圧力の強化によって交渉で譲歩を迫りたい考えとみられる。
 バタンカ氏は「(交渉の)前進に必要なのはお互いを信頼することだ」と強調。「米国とイランの代表団は同じ部屋にすら入らず、握手もしない。信頼なしにどうやって前進できるだろうか」と指摘した。その上で「覚書に戻ることは可能だが、細部を明確に詰める必要がある」と語った。 
〔写真説明〕トランプ米大統領=15日、米東部ペンシルベニア州カーライル(AFP時事)