「進撃の巨人」でインド進出=講談社、現地で漫画出版へ

インフラ整備 予防保全型へ転換

 講談社が「進撃の巨人」や「ブルーロック」といった人気作品を引っさげ、14億人が暮らすインドでの漫画出版に乗り出す。経済成長著しい同国ではコロナ禍以降、日本のコンテンツ人気が高まっている。1990年代半ば以降生まれの「Z世代」が多く、富裕層が急速に増加する巨大市場で、さらなるファン層の拡大を図る。
 今月にも大日本印刷などとの合弁会社をデリーに立ち上げ、秋ごろに事業を開始。英語とヒンディー語版を年間200点ほど出版する計画だ。年間数十億円規模の売り上げを目指す。
 講談社グローバル経営管理部の佐橋八衣部次長によると、進撃の巨人をはじめ、インドでは現在米国から英語版の日本漫画が輸入されている。ただ、円換算で一冊1800円程度と価格が高い他、流通量も少なく、海賊版が横行している実情がある。佐橋氏は「(現地会社を通じ)正規版を価格を抑えて出す。きちんとしたものを届ければ普及も進み、海賊版の駆逐にもつながる」と強調する。
 日本国内では人口減少が進み、出版市場も縮小する中、日本のアニメや漫画が人気を博すインドへの期待は大きい。既に講談社には現地から問い合わせが来ている他、SNS上での反響も大きいといい、佐橋氏は「結構いけるなという手応えを感じる」と話す。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)ニューデリー事務所によれば、インドでは日本の漫画人気の高まりに伴い、漫画家やイラストレーターを目指す若者が増えている。講談社の進出は「単なるコンテンツ輸出にとどまらず、将来的なクリエーティブ人材の裾野拡大という観点もある」と指摘した。 
〔写真説明〕講談社がインドで出版する「進撃の巨人」(左)と「ブルーロック」の英語版=10日、東京都中央区