郵船クルーズの新造客船「飛鳥III」で女子旅へ! 神戸発着で愛知の離島巡りなど4日間 初夏の週末を満喫!

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郵船クルーズの新造客船「飛鳥III」はどのような客船なのでしょうか。クルーズ船未経験かつ、普段は自動車業界をフィールドに活躍する筆者が、4日間にわたる「神戸発着 初夏の週末 蒲郡クルーズ」に参加しリポートします。

就航から1年 日本最大級の豪華客船に乗ってみた

 いつかはクルーズ船に乗ってみたいというあこがれを抱いていた筆者(瀬 イオナ:自動車ライター)は2026年6月中旬、郵船クルーズの新造客船「飛鳥III」でその夢をかなえました。全長230m、全幅29.8m、総トン数5万2265トンという日本最大級の豪華客船は、2025年7月の就航です。

「飛鳥III」は、日本の伝統工芸や現代アートが多数、船内に展示され、まるで「洋上のアートギャラリー」。そうした空間で過ごす4日間は、想像していた「移動手段としての船旅」とはまったく違うものでした。

 筆者が参加したのは「神戸発着 初夏の週末 蒲郡クルーズ」です。寄港地観光だけでなく、船そのものを楽しむ時間が主役の旅です。

 人生初のクルーズということもあり、ドレスコードのあるディナーや、キャビアをはじめとした高級食材にバーで過ごす夜など、初めて尽くしの毎日でした。また今回の客室は、船尾両サイドに8室だけ用意された「パノラマスイート」。2方向に広がるバルコニーからは、海と空を大きく見渡せました。

 出港前にはウエルカムドリンクを片手に乗客みんなでダンスを楽しみ、17時に銅鑼(どら)の音とともに神戸港を出発しました。船がゆっくり港を離れ、水面に夕日が反射してキラキラと輝く景色は忘れられません。ホテルに泊まる旅行では味わえない、旅が始まる瞬間を全身で感じられる時間でした。

 乗船後にはオリエンテーションが行われ、船内設備や過ごし方を丁寧に案内してもらえるので安心。「飛鳥III」ではクルーズ初心者への配慮もしっかりと感じられました。

2日目は蒲郡・豊川へ

「飛鳥III」には6つのレストランがあり、その日の気分で選べるのも魅力です。初日の夜はレストラン「アルマーレ」でイタリアンをいただきました。料理はもちろん、一皿ごとの演出やサービスも美しく、食事というよりひとつのエンターテインメントを体験しているようでした。

 その後はカジノ「アンティ」へ。大人同士でゲームをゆったり楽しむ時間も豪華客船ならではです(※チップやコインの現金などへの交換はなし)。

 翌朝には「エムスガーデン」を利用しました。ビュッフェの料理の種類が豊富で、朝からつい食べ過ぎてしまうほど。そのうちに愛知県の蒲郡へ寄港すると、地元のショップやキッチンカーの出迎えを受け、ここから半日は観光ツアーです。

 まず訪れたのは豊川市の豊川稲荷。商売繁盛で有名な日本三大稲荷のひとつですが、正式には「妙嚴寺」という曹洞宗の寺院で、ご本尊は豐川吒枳尼眞天(とよかわだきにしんてん)です。2026年秋に72年ぶりとなる御開帳を控えており、例年以上に多くの参拝客でにぎわいそうとのこと。歴史ある境内を歩きながら参拝すると、不思議と気持ちが穏やかになりました。

 続いて向かったのは竹島(蒲郡市)です。市街地からは387mの橋を渡って向かう小さな島ですが、島全体が国の天然記念物に指定され、日本七弁財天のひとつである八百富神社が鎮座する開運スポットです。

 ボランティアガイドの説明を聞きながら歩くと、自然豊かな景色と静かな空気に包まれ、すっかりリフレッシュできました。また、夜には地元の人たちによる手筒花火も披露され、港は大きな歓声に包まれました。

映画のワンシーンのような離岸

 22時ごろ、神戸へ向けて出港。その間、筆者は船首にある展望大浴場「グランドスパ」にいました。大きな窓いっぱいに広がる夜の海と港の明かりを眺めながら、船が静かに港を離れていく様子は、まるで映画のワンシーンのようでした。

 3日目は終日クルージング。寄港地がない日は何をすればよいのかと心配していましたが、それは杞憂(きゆう)に終わりました。バーでお抹茶をいただいたり、デジタルシャッフルボードで遊んでみたり、「ビスタラウンジ」でコーヒー豆を自分でひく体験をしたり。初めてひいた豆は粒が粗くなってしまいましたが、それも旅の思い出です。

 船内を回ってみると、いたるところに日本を代表する作家の作品が展示されており、本当に「洋上のアートギャラリー」という言葉がぴったりだと感じました。廊下を歩くだけでも新しい作品に出合えるので、船内散策そのものが楽しい時間になります。「飛鳥III」は全室バルコニー付きということもあり、自室で海を眺めながら何もしない時間さえ特別でした。

 乗船して、筆者の「クルーズは夫婦で行くもの」というイメージは変わりました。「飛鳥III」は1人利用を前提に「ソロバルコニー」を新設しているのです。従来のようにツインルームを1人で利用するのではなく、初めから1人旅向けとして設計されています。

 実際に、船内では1人ラウンジで読書を楽しむ人、バーで景色を眺める人、アートをゆっくり鑑賞する人など、それぞれ自分のペースで過ごす姿も見られました。筆者自身も1人で船内を散策したり、ラウンジで海を眺めたりする時間がとても心地よく、誰かと一緒にいないと楽しめない旅ではないことを実感しました。近年はソロ活を楽しむ人も増えていますが、「飛鳥III」はそんな新しい旅のスタイルにも応えてくれる客船だと思います。

「飛鳥II」との違いとは?

「飛鳥III」は、郵船クルーズとして34年ぶりの新造客船です。先代の「飛鳥II」より客室数を減らし、1人あたりの空間を広く確保。前出の通り全室バルコニー付きとすることで、よりゆったりとした滞在空間を実現しています。さらに、LNG燃料対応エンジンやダイナミック・ポジショニング・システム、陸上給電設備を搭載するなど環境性能も高く、日本の客船として新しい時代を切り開く1隻となっています。ただ、筆者が最も印象に残ったのは最新設備ではなく、スタッフの気配りや細やかなサービス、日本らしいおもてなしの心でした。

 豪華でありながら肩肘張らずに過ごせる空気感は、飛鳥クルーズが長年培ってきた魅力なのだと感じます。人生初めてのクルーズは、単なる「船で移動する旅」ではなく、「船そのものが旅の目的地」だということを教えてくれました。海を眺め、おいしい料理を味わい、温泉につかり、アートに触れ、自分のペースで時間を過ごす――そんなぜいたくな4日間は、忙しい毎日を忘れさせてくれる特別な時間でした。