東武東上線が劇的に変化!「808億円」の巨額投資で古い車両を一掃へ 新型車両90000系の特徴は?

インフラ整備 予防保全型へ転換

東武鉄道は、東上線の車両更新に807億5800万円を投じ、車両の若返りを進めます。今後の主力となる90000系の詳細について、東武鉄道に聞きました。

側窓の日除けカーテンを廃止した理由とは

 東武鉄道は、2026年6月22日に公表した有価証券報告書で、東上線の車両更新に807億5800万円を投じる予定であることを明らかにしました。東上線では今年9月26日(土)から18年ぶりとなる新型車両90000系が運行を開始します。今後の東上線の主力車両となる90000系について、詳細を東武鉄道に聞きました。

 90000系は、東上線沿線における人や物流のルーツが荒川や新河岸川の舟運にあることにちなみ、先頭形状が「高瀬舟」に着想を得た“逆スラント形状”となることが特徴です。また、ドア窓が従来車より床方向へ大幅に拡大され、より開放的な客室空間となっています。

 2017年から運行を開始したスカイツリーライン(伊勢崎線)の70000系や、現在も増備が続くアーバンパークライン(野田線)の80000系には車体側面の窓に日除けカーテンがありますが、90000系から廃止されました。

 また、90000系は既存の50000系と比べた場合、モーターが付いた車両が1両減っており、電動車と付随車の比率が変わっています。50000系は5M5T(電動車5両・付随車5両)なのに対し、90000系は4M6T(電動車4両・付随車6両)です。

 東武鉄道は、東上線9000系の車両代替新造工事に147億7800万円、東上線10000系・30000系の車両代替新造工事に659億8000万円を計上。総額807億5800万円を投じる計画です。90000系の車両代替新造は2029年3月まで、10000系・30000系の車両代替新造は2032年3月までとなっています。

 東武鉄道によると、先行して147億7800万円を投じる9000系の車両代替新造工事の内訳は「90000系7編成70両」(広報部)とのこと。

 最終的にはマルーンの帯を巻く9000系や10000系、30000系は90000系に置き換えられ、東上線の池袋駅に発着する車両は50000系と90000系に集約される見込みです。また、90000系は全編成が地下鉄への直通に対応し、地下鉄への乗り入れに対応していない10000系や30000系まで置き換えます。東上線では、地下鉄直通仕様の車両が増えることになります。

 90000系の詳細について、東武鉄道に聞きました。

モーターが付いた車両が減ったワケ

 ――なぜ90000系では車内の日除けカーテンを廃止したのでしょうか?

 90000系は車両用窓ガラスにUVカット機能を備えたグリーンガラスを採用していることから、従来設置していた側窓カーテンを省略しています。このガラスは、紫外線を遮断するとともに、日射熱の低減効果を持ち、車内環境の快適性を確保できる性能を備えており、従来カーテンが担っていた日差し対策機能をガラス自体で代替できます。

 ――90000系は既存の50000系と比べてモーターが付いた車両が1両減り、電動車と付随車の比率が変わっています。なぜでしょうか?

 当社の10両編成通勤車両では、加速性能や勾配区間での走行性能を確保するため、10両編成においては「5M5T」の構成が一般的でした。近年は、主電動機(誘導電動機)の効率化・高出力化に加え、VVVFインバータによる粘着制御技術の向上や車体の軽量化が進展したことで、1両あたりの駆動能力が大幅に向上しています。

 その結果、従来と同等の走行性能や輸送サービスを維持しながら、電動車数を減らした「4M6T」の構成でも十分な性能を確保できるようになりました。これにより、省エネルギー化や保守コストの低減にも寄与しています。

 ――なぜ東上線で地下鉄への直通に対応した編成を増やすのでしょうか?

 東上線の地上運用専用車両は、地下直通仕様車と比べても設備的な差異はあまりないことから、車両運用面の観点から地下直通仕様とする方が良いと考えています。

 ――50000系や70000系では、座席の向きを変えられる「マルチシート」を搭載した派生型が後から登場しましたが、90000系でそのような仕様は検討するのでしょうか?

 現時点においては、そのような導入計画はありません。

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 東上線では今後、新型車両の導入だけでなく、ターミナルである池袋駅の改良も計画されており、大きな進化を遂げることになります。