ドイツ代表のFIFAワールドカップ2026はラウンド32敗退という不本意な結果に終わった。
初戦でキュラソーに7-1と快勝したドイツは、続く2戦目もコートジボワールに2-1で競り勝ち、早々とグループE首位通過を決めた。しかし、ターンオーバーを敢行せずに臨んだエクアドル戦で敗れると、ラウンド32ではパラグアイにPK戦の末に敗北。3大会ぶりに決勝トーナメント進出を果たしたが、北中米での冒険はあまりにも早く幕を下ろすこととなった。
グループステージで姿を消した過去2大会に続き、またしても早期敗退。ベスト16進出を最低限の目標としていたドイツサッカー連盟(DFB)は、2023年9月から指揮を執るユリアン・ナーゲルスマン監督に辞任を要請した模様。EURO2028終了まで契約を残す38歳の青年指揮官は続投を希望しているが、DFBは解任も辞さない構えであり、ユルゲン・クロップ氏が後任の最有力候補と報じられている。
しかし、OBであるオリヴァー・カーン氏は指揮官の指導力以外の課題を指摘している。かつて国際Aマッチ通算86試合でゴールマウスを守った元守護神は、ドイツ紙『ビルト』を通じて次のように持論を展開した。
「ヨアヒム・レーヴ、ハンジ・フリック、そしてユリアン・ナーゲルスマン。3人の代表監督が同じようにつまづいた。それぞれ異なるサッカー哲学、異なるリーダーシップを持っているにも関わらずだ。異なるアプローチを持つ3人の監督が同じように失敗するということは、その根本的原因はもっと深いところにあるということだ」
カーン氏が指摘するのは責任感の欠如。PK戦にもつれ込んだパラグアイ戦について「ある特定の瞬間がどんな統計データよりも今回の敗退の本質を物語っている。PK戦の最中、キッカーを務める選手を探すジョシュア・キミッヒの姿があった。私にとっては最も象徴的な瞬間だった。トップレベルのチームであれば、あのような場面で志願者を探したりしないだろう。自ら進み出る選手がいるはずだ」と言及しつつ、次のように強調している。
「才能が不足しているわけではなく、傑出した選手が揃っている。欠けているのは最も重要な局面で責任を負うという自信だ。責任を回避する者は失敗から身を守っているかもしれないが、同時に歴史に名を残すチャンスを自ら放棄している」
「我々はなぜ長年に渡り同じパターンでの失敗を繰り返しているのか問う代わりに、誰が去るべきかを議論し、次の救世主に期待を寄せている。顔ぶれを変えてそれを変革と呼び、真の問いから目を背けている。つまり、最高のパフォーマンスが常に要求する代償を支払う覚悟があるのかどうか、という問いだ。才能はワールドカップに連れて行ってくれるが、どれだけその舞台に長くいられるかを決めるのは責任感なんだ」