西武鉄道「サステナ車両」の第2弾である7000系電車がデビューしました。東急9000系電車を改造したこの7000系が、現地でどのような形で受け入れられているのでしょうか。
地味に変わっている元東急電車
西武鉄道が、他社から譲り受けた「サステナ車両」第2弾の電車を導入し、2026年6月27日に狭山線で営業運転を開始しました。今回導入されたのは、東急9000系電車を改造した7000系電車です。この車両が乗客にどのような形で受け入れられているのか、反応を知るべく実際に乗車して確かめてみました。
東急9000系は1986(昭和61)年に登場。東横線や大井町線などで40年ほど使用されていました。
今回、西武線内で使用するにあたって手が加えられています。東急大井町線で使用されていた頃は5両編成でしたが、譲渡の際に4両編成に短縮されました。外観はブルーとグリーンを組み合わせた市松模様に変わり、先頭部のスカートは大型化されています。
内装は、天井と壁の化粧板や床材が交換されて、東急線時代から色が変わっています。しかし、座席の色は東急線時代のままで残されています。扉の上にあるLED式表示器も東急線時代のものが再利用され、西武線内の案内に活用されています。また、扉の脇にはボタンが追加され、乗客が扉を開閉できる機能もあります。しかし、現時点では使用されていません。
運転台はパネルが交換され、東急線時代では茶色で丸みを帯びていたものが、黒色で角張った形に変わっています。また、ワンマン運転を行うべく、車体側面にカメラが設置されています。運転台の上部にある液晶画面では、カメラで撮影したホームの様子が確認できます。
走行機器は、VVVFインバータや補助電源装置が交換されました。このため、走行音が少し変わっています。
改修箇所が意外と多く、東急線を引退してから西武線で営業運転に就くまでに2年近くかかった車両もあります。
西武は「サステナ車両」の第1弾として、小田急8000形を譲り受けて8000系に改造しています。国分寺線を走る8000系は、小田急時代に車内や走行機器がリニューアルされていました。一方7000系は、東急時代に車内の一部に手を加えた程度で、走行機器は大きく手を加えずに使用されていました。このため、改修箇所が多くなっています。
実際に乗車してみた
7000系が営業運転に就いた狭山線は、埼玉県所沢市内で完結する路線です。池袋線の西所沢から分岐して、2駅目の西武球場前で終点となります。「ベルーナドーム」こと西武ドームのアクセス路線でもあり、埼玉西武ライオンズの試合など各種イベントの足として利用されています。
狭山線では7000系の営業運転開始に合わせて、7000系を使用したワンマン運転も始まっています。しかし、「一部列車を除く」という但し書きがあり、当日に乗車した列車には車掌が乗務していました。
7000系は、先の通り車内にも手が加えられているものの、座席配置は東急線時代と同じです。9000系の特色でもあるボックス席(クロスシート)がそのまま活用され、短い時間ながら旅気分を味わうこともできます。
また、走行機器も一部が交換されていますが、主電動機は東急線時代のままのようです。起動時と停止寸前の走行音は変わりましたが、速度が上がると東急の9000系や1000系などと同じ音で、ブレーキを緩めたときの排気音も変わりがありません。
西武狭山線は東急大井町線などと比べると駅の間隔が長く、東急線時代とは少し違った走り方をしています。
西所沢や西武球場前などの沿線の各駅では、スマートフォンなどで7000系を撮影する人の姿が数多く見られました。しかし、一般の利用者は反応が薄く、「サステナ車両」の存在に気付いていない様子でした。元々、西武線は車両の種類が多く、狭山線ではベルーナドームでのイベントの際に地下鉄有楽町線などからの直通列車が運行されることもあって、さらに車両の種類が増えています。車両の種類がたくさんあるのが当たり前で、早くも馴染んでいると言えるのかもしれません。
今回運用を開始した7000系は、7102編成(元東急9003編成)をはじめ、7104編成(同9005編成)と7106編成(同9007編成)の3本です。今後も数が増える見込みで、使用される路線も西武多摩川線・多摩湖線・西武秩父線に順次拡大される予定です。
7000系の使用状況は、スマートフォン向けの「西武線アプリ」でも確認できます。ベルーナドームでイベントが開かれる際は、輸送力の大きい他の車両に差し換えが行われるため、注意が必要です。