東京電力福島第1原発事故後に定められた新規制基準下での再稼働により、全国の原発で新たに発生した使用済み核燃料が、今年5月末時点で計約1450トンに上ることが28日、電力各社への取材で分かった。使用済み燃料は強い放射線や熱を出すためプールに保管されるが、貯蔵率は使用済み燃料の体数で換算すると、8~9割に達する原発が続出している。
2015年8月に九州電力川内原発1号機(鹿児島県)が新基準下で最初に再稼働してから10年余りが経過。この間、9原発15基が再稼働し、5月末時点でうち7原発13基で発生量が判明した。再稼働する原発はさらに増える見通しで、使用済み燃料の増加も加速しそうだ。
電力各社によると、最も多く発生したのは関西電力高浜原発(福井県)。1~4号機が再稼働して計約380トンで、各プールの貯蔵率は59~95%に達した。次いで関電大飯原発3、4号機(同)の計約320トンで、貯蔵率は2基とも90%を超えた。
2基が再稼働した川内原発と九電玄海原発(佐賀県)はそれぞれ計約310トンと約270トン生じ、貯蔵率は75~80%。四国電力伊方原発3号機(愛媛県)、関電美浜原発3号機(福井県)、東北電力女川原発2号機(宮城県)は約10~110トン。貯蔵率は伊方3号機、女川2号機とも85%前後になった。
24年以降に再稼働した中国電力島根原発2号機(松江市)と東電柏崎刈羽原発6号機(新潟県)はまだ確定していない。さらに北海道電力泊原発3号機が来年の再稼働を目指している。
各地の使用済み燃料は最終的に日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)に運ばれ、ウランやプルトニウムを取り出した上で残りは「核のごみ」と呼ばれる高レベル放射性廃棄物に分離される計画だ。ただ、1997年に完成予定だった同工場は相次ぐトラブルなどで完成時期を27回延期しており、各原発での貯蔵量が増え続ける要因となっている。
〔写真説明〕関西電力高浜原発3、4号機=2022年12月、福井県高浜町
〔写真説明〕東北電力女川原子力発電所=2024年1月、宮城県女川町