救助袋設置も訓練せず=専門家「あらゆる想定を」―東京・北区の小学校火災1週間

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 東京都北区の区立滝野川第三小学校で11人が重軽傷を負った火災で、火元の状況や児童らが窓の外のひさしに避難した経緯が明らかになってきた。26日で発生から1週間。学校側は地上に滑り降りる「救助袋」を使った訓練をしておらず、専門家は「あらゆる出火場所を想定し、危機意識を持って訓練すべきだ」と警鐘を鳴らしている。
 警視庁滝野川署などによると、火災は19日午前11時ごろに発生し、校舎4階の音楽準備室など約200平方メートルが焼けた。
 当時、準備室隣の音楽室では5年生24人が授業を受けていたが、音楽担当の女性教員が臭いに気付き、準備室の扉を開けたところ煙を確認。火災報知器が作動し、駆け付けた男性教員が初期消火に当たったが間に合わなかった。
 音楽室には救助袋が備えられており、男性教員が使用を試みたが断念。階段前の防火シャッターが閉まり、廊下は煙が充満していたため、窓から外に出て幅約80センチのひさしに避難するよう児童に指示したという。
 学校によると、避難訓練は給食室や理科室からの出火を念頭に実施していた。音楽準備室は想定外で、救助袋を使った訓練はしていなかった。
 公益財団法人「市民防災研究所」の坂口隆夫理事は「死者が出なかったことで、結果的には正しい判断だったが、最善ではなかった」と話す。児童が低学年だった場合、ひさしへの避難は難しかったとし、「全ての教員は救助袋を含めた消防用設備の使用方法を把握する必要がある」と訴えた。
 これまでの捜査や学校側の説明によると、火元付近には焼けた電気ストーブや複数のサーキュレーターなどがあったほか、金管バンドのユニホーム数十着が保管されていたとみられる。音楽担当の女性教員が「準備室で洗濯物を乾かしていた」と説明しており、同署が失火容疑で詳しい原因を調べている。 
〔写真説明〕火災の起きた滝野川第三小学校=19日、東京都北区