7月17日の今国会会期末を控え、野党が攻勢を強めている。中傷動画疑惑を抱える高市早苗首相に対し、衆参予算委員会の集中審議や党首討論への出席を要求。首相が拒否していると見るや、与党が求める衆院議員定数の削減法案や「副首都」創設法案の審議入りに抵抗している。参院では他の法案の日程協議にも応じていない。
「ゆめゆめ委員長の職権で審議に入ることはないように」。中道改革連合の重徳和彦国対委員長は25日、山口俊一衆院議院運営委員長(自民)と会い、定数削減法案について、野党と合意せずに審議に入らないようけん制した。会談には国民民主、参政、チームみらい、共産の各党も参加。5党は森英介衆院議長にも同様に申し入れた。
これに対し、与党はこの後開かれた議運委理事会で、両法案の審議入りを提案。さらに、政治改革など二つの衆院特別委員会の理事会と理事懇談会でも審議入りを求めたが、野党はいずれも拒否した。
定数削減法案は与野党協議で結論が出なければ、自動的に比例代表を45議席削減する内容で、野党はもともと反対の立場。ここに来て攻勢を強めるのは、国会質疑に首相を引きずり出して、中傷動画疑惑を直接追及する狙いもあるとみられる。首相は野党の疑念を払拭できておらず、中道の小川淳也代表は「首相の資質の問題があらわになっている」と指摘している。
参院では26日に「防災庁」設置法案の首相質疑が行われるものの、その後の日程は決まっていない。再審制度を見直す刑事訴訟法改正案の成立も現時点では見通せない。
自民参院幹部は25日、国会内で対応を協議したが、結論は出なかった。会期末まで3週間余り。国対幹部は「首相が集中審議をのむしかない」と語り、中堅議員は「首相は自分が原因で国会が停滞していることを理解していない」と憤った。
〔写真説明〕定数削減法案を巡り、山口俊一衆院議院運営委員長(左から4人目)に申し入れする中道改革連合の重徳和彦国対委員長(同5人目)ら=25日午前、国会内