消えたはずの“食堂車”が復活、しかも進化!? 予約なしで温かい食事OKな「現代の食堂車」たち

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かつて長距離列車の象徴だった「食堂車」は、2000年に新幹線から姿を消すなど、いまや風前の灯火です。しかし観光列車を中心に、車内で調理した温かい食事が楽しめる列車が再び増えています。

「食堂車」いつから?

 列車内で調理した食事が楽しめる「食堂車」が日本に登場したのは1899(明治32)年のこと。山陽鉄道(後の山陽本線)が1・2等車の乗客向けに始めたサービスでした。

 戦前の食堂車は基本的に予約か、予約でなくても定食を提供するスタイルが多く、気軽で自由な食事は楽しめませんでした。1950年代に入り食堂車が新世代の車両に更新された辺りで、街のレストランに近い「利用者が任意で好きなメニューを頼める」スタイルに変わります。

 一時は東海道・山陽新幹線「ひかり」のほぼ全列車で食堂車が営業し、個性を出すために「カレー専用食堂車」のような変わり種も出るほどでした。バブル期の新幹線100系の食堂車では、数千円もする予約なしでのコース料理も提供されていました。

 その後、高級路線の食堂車は豪華寝台特急「北斗星」「トワイライトエクスプレス」「カシオペア」のように予約制コース料理と決まった朝食の組み合わせとなり、夜間のパブタイムだけ予約不要で好きな料理を頼めるというスタイルに移行しました。

 一方で100系の食堂車は2000(平成12)年、JR九州の787系特急「つばめ」のビュッフェは2003(平成15)年にそれぞれ営業を終了し、「街のレストランのように予約せずに自由に頼める」スタイルの食堂車は消滅しました。

 その後、観光レストラン列車が全国で流行しますが、基本的には「予約したコース料理を、途中駅で積み込み提供する」スタイルで、かつての「食堂車」とはやや異なるものといえます。しかし、2026年現在では「車内調理、あるいは準備したメニューを、ある程度自由に提供する食堂車」が、少しだけ復活しています。そうした動くレストランを紹介します。

現代に生きる「食堂車」たち

■JR九州「36ぷらす3」
 運行区間が日によって異なる、JR九州の周遊観光特急です。787系電車のビュッフェが復活しており、カレーやうどんなどのホットミールや飲み物を注文できます。注文した食べ物は隣りのラウンジカーでいただけます。まさに食堂車気分を味わえる列車といえます。

 なお「36ぷらす3」のリニューアルに伴い、予約制食事メニューではなく、自由に乗車してビュッフェでの食事ができるのは、9月3日から「5号車」グリーン席プランとなります。こちらは「みどりの窓口」での座席指定や、インターネット予約が可能です。

■JR東日本「サフィール踊り子」
 東京~伊豆急下田間を運行するリゾート特急です。4号車のカフェテリアには大きい厨房があり、車内で調理したメニューが提供されます。基本的にはインターネットでの事前予約が必要ですが、状況によっては当日、車内での予約も可能ですから、列車に乗り込んでから問い合わせてみるのもありです。なお、料理自体は有名店のメニューばかりで、味は本格的です。季節ごとにメニューが入れ替わるのも楽しい部分です。

■JR四国「四国まんなか千年ものがたり」
 多度津~大歩危間を走る観光特急です。列車では基本的に予約制のコース料理を提供していますが、車内で注文できる軽食・飲料メニューが豊富で、コース料理を注文していなくても充分に楽しめます。ただ、レベルがとても高いコース料理の予約がやはりおすすめです。なお、同じJR四国の観光特急「伊予灘ものがたり」「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」でも、車内注文メニューはあります。

■近鉄「しまかぜ」
 3号車カフェ車で「松阪牛カレー」「松阪牛重」「はまぐりのシーフードピラフ」といった料理を注文できます。電子レンジ調理と思われますが、味のレベルもかなり高く、満足度が高いです。なお、スイーツメニューもかなりの美味。

■近鉄「あをによし」
 大阪難波・京都~近鉄奈良間を走る観光特急です。本格的な料理ではありませんが、カフェカウンターで「カツサンド」や「柿の葉寿司」「大和肉鶏の燻製」といったメニューも注文できます。ただ、京都~近鉄奈良間はわずか36分なので、発車前にカフェに並んでいないと何も注文できずに終わります。

■近鉄「青の交響曲」
 2号車のラウンジカーで食堂車のように注文できます。メニューが豊富というわけではありませんが「奈良 大和肉鶏カレー」はかなり本格的な味です。「カツサンド」や「柿の葉寿司」「ソースたこ焼き」も頼めます。ただ、始発駅で席取りをする乗客がいるので、のんびりしていると座る席がありません。

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 なお、東武特急「スペーシアX」は食事メニューがほぼありませんが、暖かいお味噌汁やおつまみはあります。駅弁などの持ち込みも可能な「コックピットラウンジ」を予約すれば、食堂車気分を味わえます。