幕張メッセで開催中の「JAPAN DRONE 2026」から最新技術をレポート。空から荷物を切り離すエアロネクストの「置き配」ドローンや、燃料調達の弱点を逆転の発想で克服したロボデックスの「水素燃料機」など、次世代の機体を解説します。
ドローンで見えてくる、今までの技術の新しい使い方
無人航空機(ドローン)の用途を広げるべく、研究開発が日夜進められています。その中で、既存の技術やアイデアが思いがけないメリットやシステムを生み出す事例が出てきています。
2026年6月3日から5日まで、幕張メッセにて開催された「JAPAN DRONE 2026」。展示ブースを構える株式会社エアロネクスト、株式会社ロボデックスはそれぞれ独自のアプローチでドローンの可能性を広げようとしています。
エアロネクストが展示するドローンは、一見すると大きな卵とドローンが合体したような、奇妙な形状をしています。中央の球体部分はピンによるロックが掛かっており、蓋が上に向けて展開する構造です。
機体内には段ボールがひと箱入るだけの空間が確保されており、10kgの荷物を搭載した状態で、20kmほどの距離を飛行可能です。
驚くべきはその配達方法です。オペレーターが目的地にドローンを着地させた後、機体底部を開き、荷物を置けるようになっています。いわば「置き配」ができるシステムが搭載されているのです。これにより、受け取る側に負担をかけず、効率よく荷物を配送することが可能です。
一方、ロボデックスが展示していたのは、水素燃料電池を使用したドローンでした。ガソリンエンジンなどと比べはるかに静かで、それでいて5~10kg程のペイロードを確保しているのが特徴です。飛行時間も最長2時間ほど、航続距離も最長60kmと、バッテリー式と比べて長大な行動範囲を誇ります。
メリットの大きい水素燃料電池ですが、動かすには水素が必要不可欠です。しかし、水素ステーションの設置数は全国的に少なく、一般産業向けの水素の供給はなかなか厳しいのが実情です。そこでロボデックスは逆転の発想で水素の調達を可能にしました。
まず水素を運搬可能なトラックを購入し、機体の購入者に対して水素燃料のチャージを行う体制を構築しました。次に水素を発生させる装置を導入して、これをトラックに設置。トラック本体にもソーラーパネルを取り付けて、装置を動かす電力もまかなえるようにしました。結果として、自社で水素の調達が完結する一貫したシステムが完成したのです。
さらに同社は東京都と協力し、新たな水素燃料ドローンを開発しています。ヘリコプターに近い形状をしたこの機体は、設備の点検や監視を目的としたものです。先行したドローン開発技術を下敷きに、十分な性能を発揮できるよう調整を重ねているとのことです。
今回展示された機体のように、新しいメリットやシステムを掘り起こすきっかけとして、ドローンが役立つ領域は、まだまだ広がっていくのかもしれません。