従来型と明らかに違う! 陸自の新たな「動く司令部」初披露! “44年前の旧式”ついに更新か

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静岡県で行われた富士総合火力演習にて、陸上自衛隊の新型装甲車「AMV」の派生型である「指揮通信型」が初披露されました。アンテナ増設や拡張されたキャビンなど、その特徴を解説します。

ついに出た! 最新装甲車の派生型

 静岡県にある東富士演習場において2026年6月7日(日)、陸上自衛隊最大の実弾演習である「富士総合火力演習(総火演)」が行われますが、今年もさまざまな“新装備”が披露されます。

 代表的なものの1つが、フィンランドのパトリア社が開発した「AMV」でしょう。同車は、2025年9月に量産初号機が出荷されたばかりのピカピカの新車です。同車はフィンランドから完成車を輸入するとともに、並行して日本製鋼所でもライセンス生産(当初はノックダウン生産)されています。

 すでに北は北海道・名寄から、南は九州・北熊本の舞台まで配備が始まっており、訓練や記念行事等などで披露されていますが、今年の総火演では、最も多く製造される「人員輸送型」だけでなく、派生型の「指揮通信型」が初披露されました。

 現在、陸上自衛隊では「82式指揮通信車(以下:82CCV)」を運用しています。しかし、その名が示すとおり制式化されたのは1982年で、すでに初期導入車は40年以上経っています。旧式化が目立つようになったため、事実上、このAMV指揮通信型は、82CCVの後継車両と言えるでしょう。

 外観上の特徴は、車体上面に設置された6本の通信アンテナと、天井がかさ上げされたキャビン部分です。

「動く指揮所」ならではの外観と拡張されたキャビン

 82CCVが通信アンテナを4本装備するのに対し、AMVはより多くの通信アンテナを持ちます。これは、現代戦ではそれだけ通信量(ネットワーク)が増えているということを意味するのでしょう。

ちなみに、水陸機動団に配備されている指揮通信型AAV7は、艦艇との連絡通信も行うことから、通信アンテナを8本装備しています。

 上部が拡張されたキャビン部分は、車内で立ち上がって動くことを想定していると考えられます。実際、人員輸送型のAMVのキャビンは、椅子が対面で配置されており、車内を動きまわるには天井が低いという欠点があります。ただ、これは最前線に行くことを想定した場合、車両前面の投影面積を小さくすることで、被弾率を下げるのが目的であるため、致し方ない部分ではあります。

 その一方で、最前線ではなく少し後方で活動する指揮通信型は、多少車高が高くなっても、キャビン内を立ったまま動けるスペースがあった方が使い勝手が良いです。また、指揮通信型は、状況に応じて「移動指揮所」にもなるため、車内には作戦図や戦況を記録するための掲示板なども設置されます。こうしたことを鑑みると、ある程度の「室内高」が必要になるのです。

 AMVの指揮通信型ですが、まずは全国の即応機動連隊への配備が進められるでしょう。その後は普通科連隊や野戦特科部隊、師団・旅団の本部付隊などへ配備されると考えられます。老朽化が叫ばれて久しい82CCVの後継車両がようやく登場したことで、現場の士気は大きく向上することになるでしょう。

 なお、AMVは今回登場した指揮通信型以外にも、「施設作業型(EV型)」や「兵站支援型」、そして「装甲救急車型」などの派生型も登場する予定です。