ロシアの国営メディアであるタス通信は2026年5月27日、T-90M主力戦車が2040年代までロシア軍で使用される可能性があると報じました。
基本設計も西側戦車より優れると豪語
ロシアの国営メディアであるタス通信は2026年5月27日、T-90M主力戦車が2040年代までロシア軍で使用される可能性があると報じました。
この件については、T-90などのロシア戦車を生産しているウラルヴァゴンザヴォド(UVZ)の主任技術者アンドレイ・テリコフ氏が明らかにしたものです。
同氏は「T-90はウクライナでの特別軍事作戦(ウクライナ侵攻)において極めて優れた性能を発揮している」と述べ、「この戦車は1990年代に開発された。耐用年数は少なくとも50年である」として、2040年代まで前線での運用能力を維持できるとアピールしました。
また、改修についても継続的に実施する方針であり、その具体例としてドローンや歩兵の携行型対戦車兵器に対応する「全方位型の戦車防護システム」を挙げています。これは西側諸国における「アクティブ防護システム(APS: Active Protection System)」に相当するものとみられます。ほかにも、性能向上のための継続的な改良が行われる見通しです。
さらにアンドレイ・テリコフ氏はT-90Mの信頼性について、「NATOのエイブラムス、レオパルト、その他の戦車には、重量過多、不整地走破性の低さ、機動性の低さ、防御力の弱さなど、数多くの欠点があると考えている。我々のT-90M戦車はこれらのいずれよりも優れている」と述べ、その性能を強調しました。
T-90シリーズの原型はT-72を基本設計とするものであり、T-80で培われた一部の技術も取り入れられています。そのため、現在最新鋭とされる「レオパルト2A8」がドイツ軍などに納入されているレオパルト2シリーズと比較すると、設計世代としてはほぼ同世代といえます。
こうした点から、部分的な改修による継続運用は十分に可能と考えられます。しかし一方で、2010年代の構想では新型戦車T-14「アルマータ」が既存のT-72・T-80・T-90を段階的に置き換える計画でした。完全な置き換えには至らないまでも、陸戦の主役はT-14に移行する想定でした。
ところが、2022年2月にウクライナ侵攻が開始され戦闘が長期化すると、無人砲塔や複雑な乗員保護システムなどを備えたT-14は1両あたりのコストが非常に高いことが問題となりました。その結果、「T-90のほうが安価で実戦向きである」との判断が強まり、T-90シリーズの生産が優先されるようになりました。一方でT-14については本格的な量産には至らず、一部が試験的に配備された事例が報告されるにとどまっています。