29日に成立した医療保険制度改革関連法は、市販薬と似た「OTC類似薬」を処方された患者に追加負担を求める制度の創設が柱だ。2027年3月から始まるが、政府・与党は医療費削減に向け、将来的な制度の見直しを視野に入れる。患者らはさらなる負担増を懸念している。
新制度は、薬代の25%が保険適用から外れ、特別料金として患者負担に上乗せされる。対象となる候補薬は現時点で、77成分約1100品目。保湿剤や花粉症薬など比較的軽い症状向けが多い。政府は年約900億円の医療費削減を見込んでいる。
例えば、自己負担が3割の患者が1000円のOTC類似薬を処方された場合、現在の支払額は300円。新制度では、特別料金(250円)と、通常の自己負担分(225円)を合わせて475円となる。さらに、特別料金は保険適用外のため、10%の消費税がかかる可能性がある。
難病患者や高校生年代までの子どもらは特別料金の対象外となる。厚生労働省は有識者検討会で具体的な運用方法を詰める。慢性疾患を抱える患者からは「必要な医療が受けられる仕組みを守ってほしい」との声が上がる。
現役世代の保険料軽減を公約に掲げる日本維新の会は「OTC類似薬を全額自費にして年数千億円規模の医療費を削減する」と訴える。上野賢一郎厚労相は全額自費には否定的だが、政府・与党は27年度以降に特別料金の引き上げや、対象薬剤の拡大を検討する。
最終的には最大約6000~7000品目が対象となる可能性があり、全国保険医団体連合会の幹部は「そうなれば外来処方される薬の約半分で負担増となる」と指摘している。