ウクライナ国防省の公式メディア「アーミーインフォーム」は2026年5月23日、陸軍が運用するB1「チェンタウロ」戦闘偵察車を初公開しました。
対ドローン装備を施した車両
ウクライナ国防省の公式メディア「アーミーインフォーム」は2026年5月23日、陸軍が運用するB1「チェンタウロ」戦闘偵察車を初公開しました。
この車両は、イタリア軍で使用されていたものがウクライナ軍に供与されたもので、2025年11月頃には引き渡されたとの情報がありました。
ただし、これまで公式に車両画像が公開されたことはなく、ウクライナ国防省は「我々は初めてホイールタンク(チェンタウロ)を披露する」と発表しています。公開された車両には現地改修が施されており、「コープケージ」とも呼ばれる対自爆ドローン用の金網状防護装備のほか、車体上部には開閉式のドローン防御用フードも取り付けられています。
さらに、ウクライナ軍が「タンポポ型スクリーン」と呼称する、細い棒やワイヤーを放射状に張り巡らせた防護装備も確認されており、主にドローン対策を重視した改修が目立ちます。
チェンタウロは強力火砲を持つ装輪式の車両で、戦車と装甲車の中間的な立ち位置の装輪装甲車になります。ただこの種類の車両に関しては、欧米諸国による軍事支援が始まった頃にウクライナ軍へ導入されたフランス製AMX-10RCが、戦場で大きな損害を受けたことで、一時は不要論も報じられました。
しかし現在、ウクライナ軍はチェンタウロを間接射撃用の車両として運用しているようです。これは、迫撃砲やりゅう弾砲のように敵を直接目視せず、通信などで共有された座標情報を基に曲射で砲撃を行う運用方式です。
ウクライナ軍によると、同車両に搭載されたオート・メラーラ製52口径105mmライフル砲は、間接射撃時の最長射程が約11kmに達するとされ、近距離火力支援に有効だといいます。
戦車でも間接射撃は可能ですが、ウクライナ陸軍が運用するT-72やT-64など旧ソ連製車両と比べると、チェンタウロはエンジン音が静かで、車内通信システムも優れているため、こうした運用に積極的に活用されているようです。