渡辺剛、ファン・ペルシ監督にユニフォームを届けてから日本代表合流「オランダ以外の試合では着るって…」

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 日本代表は今月31日に控えるアイスランド代表とのキリンチャレンジカップ2026に向けて、千葉県内で調整を進めている。

 今回が自身にとって初のFIFAワールドカップ出場となるDF渡辺剛(フェイエノールト/オランダ)は、「1年前くらいの時期にはチャンスがなかったので、この1年で(メンバー入りのチャンスを)掴めたという意味では自信になりました」と語る。実際、渡辺はAFCアジアカップカタール2023を戦う日本代表には招集されていたものの、その後にはじまったFIFAワールドカップ2026のアジア最終予選では、招集外となった試合の方が多かった。

 それでも、昨年6月に約1年3か月ぶりの日本代表復帰を果たすと、そこからは3バックの一角として存在感を示し、自らが「夢の舞台だった」と語るFIFAワールドカップ2026行きの切符を掴み取ることに成功。「実感が湧くのにちょっと時間はかかりました」と、本音も明かしている。

 この1年間、渡辺にとって大きかった変化は、自らがプレーする環境を変えたことだろう。昨年夏、ベルギーのヘントからオランダのフェイエノールトへ完全移籍すると、加入直後から定位置を確保し、2025-26シーズンは公式戦通算39試合のピッチに立った。

 渡辺は「もちろん、自分がここまでやってこれた中には、ベルギーでの積み重ねもありました。4年間、うまくここまでやってこれたなという安心感はあります」と、欧州挑戦の際に初めてプレーしたコルトレイク、そして2年間にわたって主力として活躍したヘントへの感謝を述べつつも、「移籍していなかったこのチャンスはなかったと思いますし、そこでしっかり試合に出続けたことが、今回のワールドカップにも繋がってると思います。まずは大きなケガなくやれたことに感謝したいです」と、フェイエノールトで掴んだ確かな自信を言葉にする。年間を通して試合に出続けた背景については、次のように自己分析をしている。

「まずは自分が積み上げてきたことが形になりました。ヨーロッパに来てから成長したビルドアップの部分や、守備面で負けないところとかを評価してもらって、(フェイエノールトに)に入ったので。まずは評価が良かったってところで最初は使ってもらえて、そこからコンスタントにパフォーマンスも良かったので。あとは、(上田)綺世もいて、日本人が入りやすい環境だったっていうところも少なからずあると思います」

 また、自らを最終ラインの主力として起用し続けた、フェイエノールトを率いるロビン・ファン・ペルシ監督に対しては、「本当に理解のある監督です」と渡辺。フェイエノールトは今月17日、エールディヴィジ最終節でPECズウォレを2-0で破ったが、FIFAワールドカップ2026に臨む日本代表メンバーに選出された渡辺と上田は、同試合を欠場していた。

 オランダ『Voetbal International』などの現地メディアは、FIFAワールドカップ2026に集中したいという両選手の申し出を、ファン・ペルシ監督が受け入れ、欠場の決断が下されたと伝えていた。この一連の流れについて、今回、渡辺は自らの口で説明した。

「監督と話をする中で、ワールドカップを中心に考えたいというのは伝えてました。自分から言いに行って、そこを監督が理解してくれた形です。今季はチャンピオンズリーグ(出場権)を取れましたし、試合をずっと重ねてきたっていうところで、『今シーズンはもう終わりでいいよ』と。監督からの後押しじゃないですけど、『その分、ワールドカップは頑張ってくれ』と背中を押してくれました」

 ファン・ペルシ監督は現役時代、2006年のドイツ大会から3大会連続でFIFAワールドカップの舞台に立っており、2010年の南アフリカ大会では母国の準優勝に貢献。続く2014年のブラジル大会では計4得点を挙げ、腕章を巻いて母国を3位へ導く活躍を見せていた。言わずと知れた、オランダ代表の“レジェンド”だ。

 今大会、日本代表はグループFでオランダ代表と同居しており、第1節での対戦を控えている。今回のファン・ペルシ監督の行動は、いわば、“敵に塩を送る”行動とも捉えることができる。渡辺自身も、「相手チームの出るであろう選手に、こんな対応をしてくれるのは、普通だったら考えられないかもしれません」と前置きしつつ、「でも、彼は本当に僕たちのことをリスペクトしてくれています」と明かす。

 渡辺と上田のエールディヴィジ最終節欠場を明言した会見の中で、ファン・ペルシ監督は「彼らが送ってくれたユニフォームを着てワールドカップを見るつもりだよ。彼らとも約束したからね」などと口にしていたが、渡辺は実際にファン・ペルシ監督から、「ユニフォームを送ってくれ。僕は本当に着たいから」と言われていたことを告白。「何回も催促されました。『早くくれ』って(笑)」と、“恩師”とのやり取りを振り返った。

 渡辺はファン・ペルシ監督に直接ユニフォームを届けてから、日本代表に合流したのだという。「本当に応援してくれてるなという感じはします。オランダ代表以外の試合では着るっていう話をしていました」。オランダの“恩師”からも背中を押され、渡辺は“4年に1度の祭典”へ向かう。