未来の練習機「1機で戦闘機にも無人機にも!」構想は幻になった 英スタートアップが経営破綻 なぜこのような事態に?

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イギリスの航空宇宙系スタートアップ企業であるアエラリス・リミテッドが、経営破綻したことが2026年5月15日、BBCなどのイギリスメディアの報道で明らかになりました。

1機全部解決! の練習機は結局完成せず…

 イギリスの航空宇宙系スタートアップ企業であるアエラリス・リミテッドが、経営破綻したことが2026年5月15日、BBCなどのイギリスメディアの報道で明らかになりました。

 同社は、イギリス空軍のホーク後継機として提案されていた機体の開発で知られています。特に、ホークを運用するイギリス空軍のアクロバットチーム「レッドアローズ」のカラーリングを施した機体によるPR活動が話題となっていました。

 同社が開発を進めていたのは「モジュール式ジェット練習機コンセプト」と呼ばれるもので、共通の胴体部分(CCF:Common Core Fuselage)に、用途に応じてカスタマイズ可能な主翼やエンジン、コクピット、電子機器、センサー、兵装などを組み合わせることで、各運用国のニーズに適合した機体を構築できるというものです。

 この方式では、練習機が必要であれば練習任務に最適化した構成を組み、軽戦闘機として運用する場合にはセンサーや武装を追加し、さらに無人機として運用する場合にはコクピットや関連機器を変更するといった形で対応できます。これにより、1つの基本機体をベースに幅広い任務に対応でき、維持整備や運用の効率化が期待されていました。

 同社はイギリスのほか、フランスやカタールからの需要を見込み、売り込み活動も行っていました。また、日本の航空自衛隊向けを意識した「日本仕様」のモジュール機体構想も公開していました。

 経営破綻の理由については、報道によると、英国の「国防投資計画(DIP)」の遅延により資金調達が滞ったことに加え、同社に投資していたカタールのバルザン・ホールディングスが、アメリカとイランの戦闘開始後に資金供給を停止したことが影響したとされています。

 また、現時点で試作機が完成していないことから、ボーイングのT-7やレオナルドのM-346、韓国航空宇宙産業(KAI)のT-50などの既に完成・納入可能な機体との競争が困難と判断され、経営破綻(管理手続き入り)に至ったとされています。