アメリカ航空宇宙局(NASA)は2026年5月19日、F-15研究機がクロスフロー減衰自然層流(CATNLF)スケールモデル翼を搭載した状態で飛行する様子を公式YouTubeで動画公開しました。
F-15は実験機としても優秀?
アメリカ航空宇宙局(NASA)は2026年5月19日、F-15研究機がクロスフロー減衰自然層流(CATNLF)スケールモデル翼を搭載した状態で飛行する様子を公式YouTubeで動画公開しました。
CATNLFは、将来の民間航空機の燃費を削減し、抗力を低減することを目的として研究されている「層流」を改善するための翼技術です。層流とは滑らかな空気の流れのことで、これを維持できれば、航空機の主翼や尾翼などの後退翼において乱流の発生を抑え、抗力を減らすことが可能になります。
NASAが所有するF-15研究機の胴体下面に、この実験用翼を垂直に搭載した状態で飛行し、乾いた湖底や都市上空を飛行することで、その空力特性を調査しました。最初の飛行実験は2026年2月に行われており、約75分間の飛行において、翼モデルを装着した状態でも機体が安全に飛行・操縦できることが確認されました。
初回飛行では、旋回、水平飛行の維持、緩やかなピッチ変化などの操作が行われ、高度約2万フィートから約3万4000フィートの範囲で試験が実施されました。これにより、翼モデルの空力特性に関する初期データが取得され、設計が意図通りに機能していることが確認されています。なお、この飛行で実験が終了したわけではなく、最大15回の試験飛行を通じてデータ解析および成果検証が行われる予定です。
NASAが運用するF-15はF-15Bをベースとした機体で、1993年にハワイ州空軍州兵から取得されたものです。この機体はNASAが運用する中でも最も汎用性の高い研究機のひとつであり、もともと戦闘機として胴体下部にミサイルや増槽などを搭載できる構造であったため、胴体のクリアランス(地上との高さ)が比較的大きく、さまざまな実験機材を搭載しやすいという特徴があります。また、高速飛行や高機動時の安定性にも優れており、さまざまな飛行環境を再現できるため、戦闘機としての出自を持ちながらも、飛行試験機として非常に適した機体といえます。
【動画】結構腹ビレっぽい!? これが、実験用の翼をつけたNASAのF-15です