中道軟化、与党決着急ぐ=皇族確保、消えぬ隔たり

AI需要 電子部品の需給ひっ迫へ

 皇族数の確保策に関する各党の見解が出そろい、与党は「立法府の総意」取りまとめを急ぎたい考えだ。中道改革連合が態度を軟化させて与党の主張を一定程度容認したことを受け、今国会中の皇室典範改正を目指す。ただ、中道や立憲民主党との意見の相違は残っており、野党の訴えを十分に反映できなければ曲折をたどる可能性は残る。
 与野党協議では、政府の有識者会議が示した(1)女性皇族が結婚後も身分を保持する(2)旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える―の2案に沿って議論してきた。与党は(2)を「第1優先」と位置付け、中道や立民には(1)を重視する議員が多い。
 中道が(2)容認に転じたのは、立民代表時代に与党との交渉で女性皇族の配偶者や子への身分付与を唱えて譲らなかった野田佳彦元首相が、先の衆院選大敗で中道の共同代表を退いたためだ。代わって党検討本部の笠浩史本部長が議論を主導し、(2)を容認しながら(1)を「優先的な方策」とすることで決着させた。
 だが、与野党が参加した15日の「全体会議」では、改めて意見の隔たりがあらわになった。笠氏は中道の見解を説明する中で(1)に関連し配偶者と子の身分付与について、改正案で「付則の検討条項」とするよう主張。自民党の小林鷹之政調会長は「配偶者と子に身分を認めることは歴史上前例がない。男系継承という皇室の根幹に関わるので容認し得ない」と反発した。
 これに対し、立民の長浜博行前参院副議長は「養子制度導入は極めて慎重な検討が必要だ」と強調。会議で森英介衆院議長が改正案の今国会成立に言及したことにも「がく然とした。議長はこの議論の重さを分かっているのか」と疑問を呈した。
 全体会議に先立つ立民の党会合では、蓮舫氏や辻元清美氏が「養子案は問題がある。中道が切り崩されてしまったから、私たちしか民意に寄り添えない」と徹底抗戦の構えを示した。
 森議長は次回の全体会議を来週にも開き、衆参正副議長の総意案を提示する意向だ。自民からは「いつまでも先送りでは皇室に失礼」(関係者)だとして、与党案で押し切るべきだとの声が出ている。「立法府の総意」は依然として見えないのが実情だ。 
〔写真説明〕衆参両院正副議長、与野党の代表らが出席した皇族数確保策に関する全体会議=15日午後、東京・永田町の衆院議長公邸
〔写真説明〕皇族数確保策に関する全体会議後、記者会見する衆院の森英介議長(中央右)。同左は参院の関口昌一議長=15日午後、東京・永田町の衆院議長公邸