ホルムズ封鎖、空路も直撃=燃料急騰で減便・値上げ―夏季休暇に冷や水―欧米航空各社

JR東日本 40年ぶりの運賃値上げ

 【ベルリン、ニューヨーク時事】原油輸送の要衝ホルムズ海峡の封鎖解除が見通せず、欧米の航空業界で燃料高騰による減便や運賃値上げの動きが広がっている。需要がピークを迎える夏場の旅行シーズンに冷や水を浴びせた形で、経済的な影響は旅行業界にも及びつつある。
 ドイツ最大手ルフトハンザは21日、10月まで、採算の悪い短距離路線2万便を減らすと発表した。燃料価格はイランでの交戦開始前と比べて倍増したといい、経営幹部は「燃料高騰と地政学的な動揺を踏まえると避けられない」と理解を求めた。
 減便はKLMオランダ(5月に160便)や北欧のスカンジナビア(SAS)(4月に約1000便超)なども決定。欧州域内便が中心だが、乗り継ぎ便などを含めて混乱が広がれば、インバウンド(訪日客)需要や日本からの旅行者に影響が出そうだ。
 またロイター通信によると、仏エールフランスや英ブリティッシュ・エアウェイズは運賃の値上げを明らかにした。
 欧州連合(EU)で消費される航空燃料の4割は輸入され、これまではその半分がホルムズ海峡を通ってきた。国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は16日のインタビューで、「欧州に残っているのはおそらく6週間分程度だ」と枯渇への懸念を示した。EU欧州委員会は「現時点で需要は十分賄えている」と火消しを図ったが、不透明感は強い。
 「(旅行者が)より慎重になり、出発日が近づくまで予約しない傾向がみられる」と警戒するのは欧州旅行大手TUI。夏季休暇で人気の地中海エリアでも、イランに近いトルコやエジプトが避けられているという。今年の売上高について、「状況が安定するまで」予想を控える方針だ。
 エネルギー自給率の高い米国の各社も減便や預け入れ荷物の手数料引き上げに動き、アメリカン航空などは業績見通しの下方修正を余儀なくされた。経営難にある格安大手スピリット航空にも燃料高が重くのしかかり、トランプ大統領が公的支援を検討している。 
〔写真説明〕空港に駐機するドイツ航空最大手ルフトハンザの航空機に描かれたロゴ=22日、フランクフルト(AFP時事)