NPT再検討会議開幕へ=揺らぐ信頼、合意形成が焦点

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 【ニューヨーク時事】核拡散防止条約(NPT)再検討会議が27日、ニューヨークの国連本部で5月22日までの日程で開幕する。核軍縮・核不拡散を取り巻く世界情勢が悪化し、協議の難航が予想される中、各国が歩み寄って一定の合意を見いだせるかが焦点。過去2回の会議は合意形成に失敗しており、今回も決裂すればNPTの国際条約としての信頼性が失われかねない状況だ。
 NPTは米ロ英仏中に核兵器の保有を認め、その代わりに軍縮に向けた「誠実な交渉」を義務付ける。日本を含む191カ国・地域が加盟。2015年の会議は中東の非核化構想を巡って米英カナダが反対。22年の前回会議はウクライナに関する記述にロシアが反発し、土壇場で決裂した。
 会期中には、ウクライナに侵攻するロシアのプーチン大統領による核の脅しや、米イスラエルと軍事衝突するイランの核問題などが議題に上る見通し。ウクライナのザポリージャ原発やイランのブシェール原発など、戦時下の原発の安全確保についても協議されるとみられる。
 NPT脱退を示唆するイランの発言も注目される。また、トランプ米大統領が核実験の再開に言及し、マクロン仏大統領が核弾頭数を増やす方針を示す中、核保有国の姿勢に不満を募らせる非保有国の対応も重要になる。
 前回会議には、岸田文雄首相(当時)が日本の首相として初めて出席し、米国のブリンケン国務長官(同)のほか、約10カ国が外相を派遣した。だが、今回は閣僚級の出席は減少が予想され、国連筋は「多くの人が成功を期待せず、自国の外相が時間を割く必要はないと考えている」と嘆く。日本からは国光文乃外務副大臣が出席し、初日に演説を予定している。
 一方、国連の中満泉軍縮担当上級代表(事務次長)は開幕前の記者会見で、「NPT体制を守らなければ、世界はさらに不安定な状況に陥る」との危機意識が条約加盟国に共有されていると指摘。この意識を足掛かりに「何らかの一致を見いだし、成果を出す必要がある」と文書採択の重要性を訴えた。 
〔写真説明〕岸田文雄首相(当時)が出席した前回の核拡散防止条約(NPT)再検討会議=2022年8月、ニューヨーク(EPA時事)