米国とイランの和平協議が物別れに終わり、日本政府は情勢が不透明感を増していると懸念を強めている。協議再開に向けて外交努力を続ける構えだが、トランプ米大統領がホルムズ海峡の「逆封鎖」を宣言するなど米イラン間の緊張は再燃しつつあり、事態の推移を注視している。
高市早苗首相は13日夕、米イランの仲介に当たったパキスタンのシャリフ首相と電話会談し、協議の状況について説明を受けた。この後、記者団に「最も重要なことはホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が実際に図られることだ。主体的に取り組みを進めていく」と語った。
木原稔官房長官は記者会見で、不調に終わった米イラン協議に関し「関連の動向を注視している」と述べるにとどめた。
日本政府は表向き「1回で合意に至るわけがない」(関係者)と冷静に受け止めている。外務省幹部は「誰も戦闘に戻るとは言っていない。協議は始まったばかりだ」と強調する。
しかし、米軍はイランの港湾の海上封鎖を発表。トランプ氏が限定的なイラン攻撃を検討しているとも報じられており、事態悪化への懸念は強まっている。政府高官は「情勢がどう動くのか。緊張感のある日が続く」と率直に認めた。
トランプ氏が日本など同盟国への不満を漏らしていることも頭痛の種だ。首相の先の訪米時には「日本は前向きに取り組もうとしている」と評価していたが、最近は韓国などと並べて「米国を助けてくれなかった」と繰り返している。
政府関係者は「思うように進まないフラストレーションの表れだろう」と語るが、トランプ氏はホルムズ海峡の機雷除去に乗り出すとしており、日本に具体的な支援を要求してくる可能性も否定できない。木原長官は会見で「自衛隊派遣について何ら決まっていることはない」と語った。
〔写真説明〕取材に応じる高市早苗首相=13日午後、首相官邸
〔写真説明〕記者会見する木原稔官房長官=13日午後、首相官邸