冬の食卓に並ぶと、季節の深まりを感じさせてくれる「ブリ」。成長とともに名前が変わる出世魚として知られ、古くから正月料理や祝いの席に欠かせない存在として親しまれてきました。

今回は、寒ブリならではの特徴やおいしく食べるコツに加え、富山県・氷見に伝わる縁起の良い風習「嫁ブリ」についても解説。
記事後半では、ブリの人気レシピ3選をピックアップしましたので、合わせてチェックしてみてくださいね。
■寒ブリとブリの違いは?
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ブリは水温14~15℃前後を好んで移動する回遊魚で、生息域や旬の時期は地域によって異なります。北海道では夏から秋にかけて多く水揚げされますが、冬になると水温の低下に伴い南へと移動します。
一方、本州や四国では冬に旬を迎え、この時期に獲れる脂ののったブリを「寒ブリ」と呼びます。身が引き締まり、濃厚な旨みと上質な脂を堪能できるのが特徴。高たんぱく・低カロリーなうえ、脂質・ミネラル・ビタミンなども豊富で、健康的な体づくりを意識する人にもおすすめの食材です。
■ブリのおいしい食べ方4選
ブリは調理法次第で、さっぱりからこってりまで幅広い味わいを楽しめます。
刺身
脂のりの良いブリは、刺身にすると旨みが際立ち、とろけるような食感に。大根おろしを添えれば後味がすっきりし、脂の重さを感じにくくなります。
煮物
ブリの旨みが煮汁に溶け込み、奥行きのある味わいに。家庭料理でおなじみのブリ大根では、ブリのコクを吸った大根が柔らかく、どこか懐かしく、ホッとする一品に仕上がります。
しゃぶしゃぶ
ブリをサッと湯にくぐらせることで余分な脂が落ち、上品で軽やかな味わいに。ポン酢じょうゆに、大根おろしやネギなどの薬味を添えて食べるのがおすすめです。
焼き物
照り焼きや塩焼きなど、シンプルな調理でも存在感は十分。特に腹身やカマは脂の甘みが強く、噛むほどにブリの旨みが広がります。
■氷見の「嫁ブリ」とは?
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ブリの名産地として知られる富山県・氷見市周辺には、「嫁ブリ」と呼ばれる独特の風習があります。これは、結婚した年のお歳暮として、新婦の実家から嫁ぎ先へ上質な寒ブリを贈るというものです。
出世魚であるブリにちなみ、新郎の出世や家内安全を願う意味が込められており、受け取った新郎側は、その半身を新婦の実家へ返す「ブリの半身返し」を行うのが習わしとされています。
本来は寒ブリを一本丸ごと贈るのが伝統的な形でしたが、近年では保存や調理のしやすさを考え、ぶりしゃぶ用の切り身など加工品を選ぶ家庭も増えているようです。
■【定番】黄金比タレでふっくら甘辛! 基本のブリの照り焼き
ブリといえば、王道の照り焼き。ブリは塩を振って少し置くと、余分な水分と臭みを解消できるので、手間を惜しまず行いましょう。照り焼きダレを入れて煮詰め、トロミがついてきたらブリにからめて完成です。ふっくらとした食感と甘辛いタレで、ごはんがどんどんと進みます。
【材料】(2人分)
ブリ(切り身) 2切れ
塩 小さじ 1~2
小麦粉 小さじ 2
酒 大さじ 2
みりん 大さじ 2
砂糖 大さじ 1.5
しょうゆ 大さじ 2
サラダ油 小さじ 2
ホウレン草 2/3束
【下準備】
1、ブリの両面に塩を振り、15分以上置く。出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取る。

2、<照り焼きダレ>の材料を混ぜ合わせる。
3、ホウレン草は根を切り落とし、特に根元をきれいに水洗いする。たっぷりの熱湯でサッとゆでて水に取り、粗熱が取れたら水気を絞り、長さ3cmに切る。
【作り方】
1、ブリに薄く小麦粉をからめる。フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、ブリを入れて両面こんがり焼き色をつける。余分な油をキッチンペーパーで拭き取る。

2、<照り焼きダレ>を加え、火を強めてタレを煮たたせながら煮詰める。タレにトロミがついてきたらブリにからめて器に盛り、タレをかけてホウレン草を添える。

【このレシピのポイント・コツ】
塩を振ってすこし置く事で、魚の生臭さと余分な水分を取ります。このひと手間で、よりおいしくなります!
■【煮ても焼いても◎】ブリの人気レシピ2選
甘辛がおいしい! ブリのアラ炊き

骨付きのアラは旨みたっぷり! 煮汁が少なくなるまでじっくり煮た照りが食欲をそそる一品です。調理のキモは、アラの下処理。たっぷりの熱湯にサッとくぐらせて水に取り、ウロコや血を丁寧に取り除くのがポイントです。
プロ直伝! ぶりの漬け焼き

漬けダレの中で一晩寝かせたブリは、本格的な味わいです。ユズコショウの香りとピリッとした刺激がアクセントに。魚焼きグリルで焼くので、外はカリッ、中はふんわりとした絶妙な食感に仕上がります。大葉の上にブリを盛り付けてレモンを添えれば、まるで料亭のような一品に!
■旬と文化を知るともっとおいしい! ブリを人気レシピで味わおう
冬に旬を迎える「寒ブリ」は、たっぷりとのった脂と凝縮された旨みが魅力の格別な味わい。「嫁ブリ」の風習に見られるように、地域の文化とも深く結びついた魚であることも興味深いですね。
おいしく仕上げるポイントは、調理前に軽く塩を振って下ごしらえをすること。余分な水分や臭みが抜け、ブリ本来の旨みがより引き立ちます。
今回ご紹介したレシピは、いずれも家庭で気軽に作れるものばかりなので、旬の時期にぜひ試してみてください。