
<ファンケルクラシック 事前情報◇16日◇裾野カンツリー倶楽部(静岡県)◇6986ヤード・パー72>
シャフトメーカーのグラファイトデザインでツアーレップを務めるアマチュアの55歳・髙橋雅也が、本戦出場権をかけたアマチュア予選会(9月4日開催)を突破し、今大会に初出場する。米国男子ツアーで戦う松山英樹をはじめ、同社のシャフトを使用する多くの選手から大きな信頼を寄せられる“スーパーツアーレップ”だ。
予選会前日まで「ロピア フジサンケイクラシック」で選手サポートを行っていた。「自分のクラブを持っていたので、仕事を終えてからいつもみんなで行く食事に行かず、練習していました」と限られた時間のなかで調整。練習時間には物足りなさも感じられるが、それが逆にいい影響となっている。「それぐらいがちょうどいい。意気込んで、結局打ちすぎて本番でガタガタになるので、体が動けばいいという感じでやるようにしています」。今大会前も前日まで栃木県で行われている「日本オープン」の会場で仕事をこなしてきた。
髙橋はこれまで、2022年と23年の「日本シニアオープン」で2年連続ローアマ獲得の実績がある。今年のツアー競技外「シンコーハイウェイサービス鴻巣シニアオープン」ではアマチュアの部で優勝を果たし、さらに「関東シニアゴルフ選手権」でも2位。これにより、10月29日から開催される「日本シニアゴルフ選手権」への出場権を手にしている。同大会で上位3位に入れば、来年の「日本シニアオープン」出場権が与えられる。
2位で終わった関東シニアには、悔しさも残った。「シニアルーキーの年齢なので、勝たなきゃいけなかったんですよ」と苦笑い。今年の日本シニアオープンでローアマを獲得した水上晃男に完敗したことも、その悔しさを増した理由のひとつだ。
その水上は、日本シニアゴルフ選手権で3連覇中。「4連覇を阻止しにいかなきゃいけない。(大会会場は)僕の地元・飯能なんでね。もう絶対負けられません。(予選会でも)水上さんが67で回っていた。まさに目の上のたんこぶです」と、尊敬とライバル心が入り混じる表情を見せた。今大会にも、その“最強アマ”は出場する。打倒、水上だ。
「上位3位に入れば来年の日本シニアオープンに出られるので頑張りたい」と気合は十分。まずは今大会で自信をつけたいところ。「せっかくですから、頑張ります」と、目標はローアマではなく優勝に定める。開催前日の練習日には、横田真一らと練習グリーンでアプローチ談義を交わしたり、シャフトの相談を受けていたりなど、まさに“二刀流”。日頃サポートしている選手たちと同じ舞台に立てることを心から楽しむ55歳。この3日間は、自身も選手として挑んでいく。(文・高木彩音)