兵庫県宝塚市出身、人からは「石原さとみさん似」と言われる市川さんは、18~23歳の間、美容系の広告モデルを仕事とされていました。その後、大好きなサッカーの世界で仕事を自分の力でゲットし、さらに、渋谷のIT系広告代理店に転身、いまは寿退社され、幸せな家庭生活を送られています。絵に描いたようなキャリアですが、そこには、『好きなことを仕事にする』ためにハードルを乗り越えてきた情熱や数々のチャレンジが溢れています。
そして、そのお話には、就活に悩む大学生はもちろん、人気職業であるモデルやスポーツ界で将来活躍することを夢見る中高校生、「自分の好きなことを仕事にしたい」と考える社会人の方など、誰もが参考とできる心構えや目標設定、努力のプロセスのヒントや工夫にも溢れています。「スゴイ人だけど誰もが見習える」、そんな市川さんのキャリアを紹介する4回目です。
(過去記事はこちら→https://www.thenews.ne.jp/detail/153321)
順調だったモデルの仕事を辞めてまでも、大好きなサッカーの仕事に直接打ち込もうと決意しながら、まずは「普通の社会人」として学ぼうと、サッカーとは関係なく、しかも「ブラック」と言われるほど厳しいアパレルの会社をあえて選んだ市川さん。「1年で売上トップとなる」という目標を掲げ、自分を磨く決意をしたものの、はじめは、店の先輩や上司に、挨拶やマナーでさえままならず怒られる毎日でした。
そこで、まずは自社の商品を知るために、給料は全部自社ブランドの服を買うことにつぎ込み、そのブランドを愛することから始めました。そして、自分のお客様のパーソナルデータを全て覚えたり、販売チャンスを逃さないため店の在庫を全部覚えるなど、尋常ならざる努力をし、何度か売上トップを獲得するまでに急成長しました。
「ブラック」と聞いて入社しましたが、入ってみて分かったことは、先輩や上司の仕事に対するプロ意識の高さ、社員の会社に対する愛情の深さと仕事に対する熱意の素晴らしさだったそうです。そして、一つの目標に向かって達成する難しさや、みんなで一致団結して結果を出す喜びを教わったと言います。
「1人のお客様に1回の販売で23着を売った」という記録を打ち立て、今でも伝説的に語り継がれているそうです(笑)。
アパレル会社での1年は、今でも自分の大切な財産で、辞めた後もずっとそこのブランドの服を愛用しているとのこと。すっかり大好きなブランドになってしまったようです。同僚だった社員の皆さんのブランドへの愛情の深さを受け継いだのかもしれませんね。
そして1年が経過し、いよいよ大好きなサッカー業界の仕事をするという夢を実現する準備ができたと思いました。
(つづく)
※当記事は、「NPO法人スポーツ業界おしごとラボ」理事長小村大樹氏が主宰する「すごトーク」にて、2017年4月9日に市川祥子氏をゲストに迎え座談会を行った内容をもとに再構成しました。「すごトーク」はスポーツ業界に関心のある方向けに、人の交流を図ることを目的に定期的に開催されています。「すごトーク」にご関心をお持ちの方は、以下のサイトをご参照ください。