納税・消費者の負担12兆円超=国費、電気料金で東電支え―賠償なお続く・原発事故15年

ホルムズ海峡 原油輸入に変化

 東京電力福島第1原発事故で必要となった賠償や除染、廃炉などを支えるため、日本の納税者や消費者の負担した金額が事故発生から約15年となった今年3月末時点までに12兆円を超えたことが5日、時事通信の取材で分かった。
 4月1日時点の日本の人口1億2286万人で負担額を単純に割れば、1人約10万円。大きな被害を受けた福島県民らも含めた国内在住者が納める税金、支払う電気料金で事故を起こした東電を支える構図となっており、今後も負担額は膨らみ続ける見通しだ。
 時事通信は東日本大震災復興特別会計の原子力災害関連支出や会計検査院が調べた国による支援額、原発を保有する電力各社が電気料金に算入した、賠償費用の原資となる「一般負担金」などを集計。総額は3月末時点で少なくとも12兆659億円に上った。
 同会計の原子力災害関連支出は計8兆7236億円。このうち、除染に3兆2131億円かかっており、政府が原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて立て替えている。除染費用の大部分は最終的に、同機構が保有する東電株の売却益が充てられる計画。東電株の取得に際して金融機関が行った融資には政府保証が付いており、実質的に国が管理する資産となっている。
 被害者への賠償資金も政府が同機構を通じて立て替え、一般負担金などで回収する仕組みだ。東電など各社がこれまで電気料金から徴収した一般負担金は少なくとも1兆9812億円。この中には原発を保有していない電力会社の契約者の負担分も含まれている。
 このほか、東電が料金値上げの際に含めた汚染水処理装置の保守点検費や賠償受け付け業務の委託費などの負担が少なくとも7390億円に上る。
 政府が一般会計から支出した廃炉・汚染水対策費など直接税金が投じられている事業も多く、確認できただけで計約6221億円が執行された。政府や東電は廃炉に30~40年かかるとしており、納税者や消費者の最終的な負担額は15年経過しても見通せない。