フード宅配、淘汰の波=ウーバー「1強」に懸念も

「6月に詰む」日本の石油状況は

 コロナ禍で一時乱立状態だった国内フードデリバリー業界に、淘汰(とうた)の波が押し寄せている。競争激化で撤退が相次ぎ、現在は米系ウーバーイーツジャパン、韓国系の米企業傘下のロケットナウ、日系の出前館の3社にほぼ集約。中でもウーバーの存在感は圧倒的で、寡占化を懸念する声も出ている。
 「お客さまや加盟店、配達パートナーの存在があったからこそ、ここまで成長できた」。ウーバーイーツジャパンのユリア・ブロブキナ代表は10月中旬の発表会で語った。
 同社の日本進出は2016年。世界中に展開する強固な事業基盤や高い知名度を武器に浸透し、国内累計注文数は同月時点で10億件を突破した。米調査会社センサータワーによると、アプリ利用者数を示す月間アクティブユーザー数(MAU)は620万人で、日本国内シェアの過半数を占める。
 フードデリバリーは、外食を控える傾向が強まったコロナ禍で急拡大。一時は7社を超える企業が顧客獲得にしのぎを削ったが、クーポン配布などの営業戦略が重しとなり、短期間での撤退が相次いだ。今年3月にはフィンランド発祥のWolt(ウォルト)が、9月末にはKDDI傘下のmenu(メニュー)がサービスを終了。出前館も26年8月期連結決算で8期連続の最終赤字を計上するなど苦しい状況だ。
 これに対し、昨年1月に参入したロケットナウは、送料やサービス料がかからない「お店と同価格」の宅配を1万店以上で展開し急成長。今年9月にはアプリの累計ダウンロード数が800万件を超え、MAUでは業界2位に躍り出た。
 ただ、ロケットナウの参入でウーバーや出前館も「お店と同価格」での提供を余儀なくされるなど、現状は消耗戦の様相を呈しつつある。業界に詳しい有識者は「価格だけの競争になれば、資金力が潤沢な企業が市場を独占し、長期的には利用者や飲食店が不利益を被りかねない」と警鐘を鳴らす。 
〔写真説明〕バイクで商品を運ぶフードデリバリーの配達員(ウーバーイーツジャパン提供)