「外国代理人」の活動可視化=登録制度、政府が本格検討―過度な取り締まり論点に

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 高市政権が、スパイ防止関連法制の柱の一つに据える「外国代理人」登録制度の検討を本格化させた。外国政府などの指示を受けて情報収集や影響工作に当たる個人・団体に登録を義務付け、活動を可視化する狙い。悪質行為には罰則を科す方向で、過度な取り締まりにつながらないよう適用対象や量刑の決定には慎重な判断が求められる。
 ◇影響工作対処に穴
 政府は来春にも関連法案を国会へ提出する方針。インテリジェンス(情報収集・分析)能力の強化を話し合う有識者会議を設け、10月26日の会合に登録制度の具体案を提示した。
 コンサルティング会社やシンクタンク、広告代理店などを対象に、(1)公務員への接触(2)選挙に影響するような情報発信(3)財産上の利益供与―を行う場合は事前登録義務を課すことを想定。無登録者に罰則を科すとともに、登録済みであっても身分を偽る「欺罔(ぎもう)」や脅迫といった行為は処罰する考えを示した。
 外国による機密情報の窃取に対し、政府はこれまで特定秘密保護法や重要経済安全保障情報保護・活用法などを制定し、対処してきた。一方、政治・行政に不当な影響を与えようとする行為を規制する法律はない。外国代理人が属性を明かさずに自国の利益となる働き掛けを行い、日本の政治家や官僚、一般国民がそれに左右される可能性が指摘されてきた。
 制度設計を主導する警察庁は26日の会合で、「捜査で把握した情報」として国名を挙げずに影響工作の実例を示した。代理人を通じ、日本に教育機関を設置しようと国会議員に利益供与を試みたり、自国のためのプロパガンダを拡散したりしていた。政府関係者は「立件されていない捜査情報を明かすのは危機感の表れだ」と話す。
 ◇正当な活動萎縮も
 一方、登録対象に報道関係者や同盟国を含めるべきか、罰則はどの程度が適当かなど、検討課題は多い。日本人が「外国代理人」に該当するケースもあり得る。
 定義が曖昧な場合、政治的判断で適用される恐れが出てくる。個人や団体が意見表明をしづらくなり、憲法が保障する表現の自由を脅かす事態も想定される。日弁連は2月に発表した意見書で、登録制度について「人権侵害につながる可能性がある」と懸念を表明した。
 10月26日の会合では「正当な活動を萎縮させないよう、登録を義務付ける活動の範囲を明確化すべきだ」との声が出た。11月の次回会合で、登録を要する活動や悪質行為の範囲を議論する予定だ。