身代金目的でデータを暗号化するウイルス「ランサムウエア」の被害が急増している。身代金を支払っても約4割は追加要求されるとの調査結果もあり、専門家は「支払いは解決ではない」と警鐘を鳴らしている。
米情報セキュリティー会社「プルーフポイント」が、世界12カ国のセキュリティー専門家953人を対象に調査を実施し、実際に被害を経験した803人の回答をまとめた。
27日に公表した調査結果によると、2025年にランサム攻撃を受け身代金を支払った割合は、国別で米国がトップの93%、アラブ首長国連邦(UAE)81%、インド64%と続いた。日本は下から3番目の37%だった。
支払った日本企業について、その後の状況を確認したところ、1回でデータやアクセス権が復旧したのは59%にとどまり、37%が追加の支払いを要求されていた。最初の支払い後に攻撃者と連絡が途絶えた企業は4%だった。
警察庁によると、今年1~6月に確認されたランサム攻撃の被害は123件に上り、統計の残る2020年以降、半期ベースで最多を更新した。
同社の日本法人「日本プルーフポイント」常務の増田幸美氏は、海外の攻撃者にとって障壁となっていた日本語が、人工知能(AI)の進化により自然に操れるようになったことが急増の一因と指摘する。
その上で、現在のランサム攻撃について、単なるシステムやファイルの暗号化から、データなどを窃取した上で繰り返し金銭を要求する攻撃に移行していると分析。身代金を支払い、仮にデータが復旧したとしても「確実な復旧の手段ではなく、盗まれた情報の削除も保証されない。自力で復旧できる体制が求められる」と述べた。
10月に入り、不正アクセスが明らかになったGMOインターネットは、金銭要求に応ぜず、攻撃者が個人情報を公開する事態に発展した。
増田氏は「日本企業を狙っても投資対効果が低いと思わせることで、金銭目的の攻撃を減らせるのではないか」と語った。