AI投資拡大、GDP加速=米FRB、12月利上げ有力

豪雨災害の激甚化 内水氾濫とは

 【ワシントン時事】米経済の力強さが鮮明になっている。商務省が29日発表した7~9月期の実質GDP(国内総生産)速報値は伸びが急加速した。人工知能(AI)ブームに伴う設備投資の拡大や個人消費が経済をけん引。同時公表された物価指標はインフレの根強さを示す内容だったことから、市場では連邦準備制度理事会(FRB)が次回12月の金融政策会合で追加利上げに踏み切るとの観測が強まっている。
 実質GDP速報値は前期(4~6月期)比3.4%増と、前期の2.2%増から大幅に伸びた。大手IT企業がAI普及に欠かせないデータセンター建設に巨額資金を投じる中、設備投資は12.7%増(前期9.0%増)に急拡大。高値圏で推移する株高の恩恵を受け、GDPの約7割を占める個人消費は3.8%増と経済を下支えした。
 一方、米イラン紛争に伴うエネルギー高が響き、9月の個人消費支出(PCE)物価指数は3.6%上昇し、前月の3.4%上昇から加速した。変動の激しいエネルギーと食品を除いた指数も3.1%上昇と、前月から上振れした。インフレ圧力は広範に及んでおり、「しばらく消えない」(金融大手)との見方が広がっている。
 FRBは28日の金融政策会合で、2会合ぶりに政策金利の据え置きを決めた。だが、ウォーシュ議長は「インフレ抑制が責務だ」と強調。「金融環境が引き締まっていると見なせない」とも述べ、12月会合での追加利上げの余地を残した。
 AI投資は米経済を押し上げる半面、インフレ圧力の中心的な要因にもなっている。半導体などAI関連の需要が膨らみ続ければ、幅広い製品の価格上昇を招く構図が定着しかねない。AIブームは当面収まりそうにないことから、FRBが想定以上の利上げを余儀なくされる可能性も取り沙汰されている。 
〔写真説明〕政策金利の据え置きを決めた後、取材対応に臨む米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長=28日、ワシントン(EPA時事)