維持費“激安”の個人所有ヒコーキ、ついに登録・飛行実施 老朽化・価格高騰する小型機市場の起爆剤に

”滝のように降る雨”増加傾向に

エクスペリメンタル・スポーツ航空機連盟が、日本初となるLSA「EuroFox」の飛行を実施したと発表。これは航空スポーツが抱える機材の老朽化やコスト高騰といった課題解決の可能性を秘めており、今後の普及が期待されます。

「LSA」ってそもそも何?

 エクスペリメンタル・スポーツ航空機連盟(EXSAL)は2026年10月21日、日本初となるライトスポーツ航空機(LSA)「EuroFox」の登録と飛行を実施したと発表しました。

 初飛行が行われたのは2026年10月9日、群馬県板倉町の板倉滑空場です。今回の飛行は、日本滑空協会と日本グライダークラブの協力のもと、日本におけるLSAの運用可能性を検証する取り組みの一環として実施されました。

 LSAとは「Light Sport Aircraft」の略で、比較的軽くてシンプルな構造を持つ小型航空機のカテゴリーを指します。2004年にアメリカの連邦航空局(FAA)が制度を導入して以降、欧州をはじめ世界各国に普及しました。

 国際的に利用されている民間技術標準を活用することで、安全性を確保しつつ開発・製造コストの合理化を目指しており、従来の小型航空機に比べて取得や運用のコストを抑えられる可能性があるといいます。日本では、2022年の航空局サーキュラー改正により、条件と許可のもとで飛行できる制度的な枠組みが整えられていました。

 今回飛行した「EuroFox」は、スロバキアのAeropro社が開発・製造する軽量2座席の航空機です。優れた短距離離着陸(STOL)性能や主翼の折り畳み機構、高い燃費効率を特徴とし、世界で700機以上が生産されています。

 日本の航空スポーツ界では、人口の減少に加え、小型航空機の価格高騰や既存機材の老朽化が深刻な課題となっています。EXSALなどは、LSAの導入が機材の更新や安全性の向上、運航・維持コストの低減につながる可能性があるとしています。

「EuroFox」はレジャー飛行や操縦訓練のほか、グライダーを引っ張って上空へ連れていく“曳航(えいこう)機”としても豊富な運用実績があります。今後は試験飛行を通じて飛行性能や安全性を段階的に検証し、グライダー曳航への活用も視野に入れながら、国内での普及を目指していくとしています。