ガザ、戦後外交、司法改革=イスラエル総選挙の主な争点

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 【エルサレム時事】「イスラエル史上最も右寄り」と評されるネタニヤフ連立政権は、パレスチナ自治区ガザやイランなどへの軍事作戦で強硬路線を取る一方、内政では司法の権限を抑制する「改革」を推進した。国内ではその賛否を巡る論争が繰り広げられ、27日に行われる総選挙(一院制、定数120)でも争点となっている。
 ◇ネタニヤフ首相の責任
 軍事作戦の引き金となった2023年10月のイスラム組織ハマスによるガザからイスラエルへの越境攻撃では、イスラエル側で約1200人が死亡。これまでのネタニヤフ政権の安全保障政策の機能不全が浮き彫りとなった。
 イスラエル国内でハマスがガザに連れ去った人質の救出を求める世論が高まる中、対パレスチナ強硬派の市民を支持基盤とする政権は、人質の命を危険にさらしかねない軍事作戦を遂行。作戦では人質全員の奪還とハマスの壊滅が二つの大きな目標として掲げられていたが、どちらを優先するかで国内は分裂した。
 イスラエル軍はこれまでに人質全員を奪還したものの、軍事作戦の混乱の中で命を落とし、無言の帰還となった人も多い。野党は奇襲を招いた事態への責任回避を続けるネタニヤフ首相を追及し、支持を拡大している。
 ◇「敵将殺害」も脅威残る
 イスラエルはガザを皮切りに、国家存亡の脅威とみなすレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラやイランなどを標的とする作戦も展開。ハマスやヒズボラ、イランの最高指導者を次々に殺害し、こうした戦果は国内で広く評価されている。
 一方、「敵将殺害」は組織解体や政権崩壊に直結せず、脅威は残されたままだ。戦後の出口戦略を欠いた状態で交戦を拡大し、外交的成果を得られなかったとの批判がある。国連の独立調査委員会はガザでの軍事作戦を「ジェノサイド(集団殺害)」と認定。攻撃の正当性を訴えるイスラエルは国際社会の中で孤立を深めた。
 ネタニヤフ政権は、軍事面での後ろ盾である米国との関係ばかりを重視するのに対し、次期首相の対立候補と目される野党「ヤシャル」党首のアイゼンコット氏は「国際社会の一員」であることを訴え、溝が深まっている欧州諸国とも協調する姿勢を示す。
 ◇私利私欲の改革?
 ネタニヤフ政権は23年1月、司法の権限を縮小し、国会や政府の権限を拡大する司法制度見直し案を発表した。汚職裁判を抱えるネタニヤフ氏の私利私欲が絡んでいるとの疑念もあり、国内ではその後、大規模抗議活動が繰り返し行われた。アイゼンコット氏は、見直し案を受けて成立した関連法を破棄すると明言している。
 一方、政権を支持する国民の間では「選挙を経ていない裁判官が国会の決定に介入するのはおかしい」という意見も根強い。政権側が選挙に勝利すれば、見直しが一気に進む可能性がある。 
〔写真説明〕イスラエルのネタニヤフ首相=14日、エルサレム(EPA時事)