自衛官の処遇改善加速へ=政府・自民、人手不足に危機感

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 年末に予定される安全保障関連3文書の改定を見据え、政府・自民党は自衛官の処遇改善の議論を加速させる。少子化を背景に成り手不足が深刻化。要員を十分確保できなければ防衛力強化もままならず、危機感を募らせる。給与体系の見直しや退職後の支援を進め、3文書に国としての姿勢を明確に示したい考えだ。
 木原稔官房長官は16日の記者会見で「募集環境が厳しさを増す中、自衛隊員という職業を選択し続けてもらうためには、現職の処遇改善に加え、退職隊員や家族が誇りを持って人生を全うできる環境を構築することが重要だ」と強調。具体化に取り組む方針を示した。
 防衛省によると、2026年3月末時点で自衛官は21万7701人。定数は24万7154人となっており、充足率は88.1%にとどまる。同省は、現状のまま推移すれば35年度に18万人、45年度に13万人に減ると試算。陸上自衛隊の幹部は「一人ひとりの負担が増えており、組織の弱体化を招く」と語る。
 自衛隊は精強な部隊を維持するため若年定年制を採っており、多くが50代半ばに定年を迎える。これも募集を難しくする一因とされる。
 政府は自衛官の任務や勤務環境の特殊性に合わせ、給与の基準となる俸給表を見直す。小泉進次郎防衛相の肝煎りで、再就職などを支える「退職自衛隊員・家族支援庁」(仮称)を27年度に新設する構想も進める。小泉氏は「政府を挙げて取り組むべき課題だ」との認識を示す。
 自民の有志議員は13日、「自衛隊の人的基盤強化を実現する議員連盟」の設立総会を開催。会長に就いた小野寺五典元防衛相は「自衛隊で最も大切なものは人だ」と訴え、特に退職後の支援に力を入れる意向を示した。定年の引き上げを含めて政府に提言し、3文書への反映を目指す。
 ただ、こうした方策が直ちに人員確保に結び付くかは不透明。防衛省幹部は「無人機の活用など省人化や効率化を進め、能力を何とか上げるしかない」と語る。 
〔写真説明〕首相官邸に入る小泉進次郎防衛相=16日、東京・永田町