2026年9月30日から10月2日まで行われた「危機管理産業展2026」では、クマによる被害である「熊害(ゆうがい)」を意識した製品もいくつか見られました。
練習用のクマスプレーの意味とは
2026年9月30日から10月2日まで行われた「危機管理産業展2026」では、クマによる被害である「熊害(ゆうがい)」を意識した製品もいくつか見られました。
そうしたクマ対策でも基本中の基本のひとつがクマ撃退スプレーです。同製品のなかでも珍しい「練習用」のスプレーを公開していた、ジェイウィンの担当者に話を聞きました。
ジェイウィンが製造しているクマ撃退スプレー「熊撃退スプレー JKS-240」は、国内で製造されたツキノワグマに対応した初の本格的なクマ撃退スプレーになるとのことです。
クマ撃退スプレーは本来、トウガラシなどに含まれるカプサイシンを噴射することで、クマの目や鼻に強い激痛を与えてひるませるためのものですが、練習用のスプレーはノンカプサイシンになっているとのことです。そもそも、なぜ練習用のスプレーが必要かというと、実際にクマに出会って噴射するのはかなり難しいからです。
飛距離は練習用も本物も約10mで、約10秒ほど連続噴射が可能な、ツキノワグマに対応した製品になるとのことです。クマ撃退スプレーに関しては、環境省が2026年8月に「クマ撃退スプレーの性能に係る推奨要件」というものを公表しており、6項目の基準が示されており、同製品はその基準に合った製品とのことです。
ウサイン・ボルトよりも素早いクマが突進してくる…
飛距離に関しては、環境省は無風状態で7.5m以上と定めていますので、同製品はそれよりもかなり飛距離が長いといえます。ただ、担当者はツキノワグマの走る速度を考えると、10m程度は必要と話します。ツキノワグマは短距離であれば時速40~50kmで走ることができるそうです。これは、100m走の世界記録を持つウサイン・ボルトよりもはるかに速い速度です。
そうした猛スピードで突進してくるクマがいる状況で、スプレーの安全装置を外し、構えて、狙って、噴射するという4つの動作が必要になります。ジェイウィンのスプレーは、通常のスプレーと同じように外装シュリンクタイプに封印シールを付けたタイプになっており、キャップをひねるだけで発射可能になるので、普通のヘアスプレーなどと同じ方法で発射が可能ですが、担当者は「本当に遭遇したら慌てて操作することになるので、練習はした方がいいですね」と話していました。
また、通常のスプレーよりも飛距離が長いため、噴射をコントロールする感覚を覚えるためにも、練習用のスプレーを使うのはいいとのことでした。
本物のクマ撃退スプレーには、日本で最もよく使われる代表的な赤トウガラシである「鷹の爪」換算で約1kg分のカプサイシンエキスが含まれているとのことで、当然クマはもちろん、噴射方向を間違うと自身もダメージを負うことになります。練習用を活用することで、噴射の勢いや距離感を体感しておくことが大事なようです。
ちなみに、去年の「危機管理産業展2025」でも展示を実施していたとのことですが、前回はクマの被害が続出する直前だったそうで、今回はその時よりも反響は大きかったようです。