ANA「SFC」新制度”300万円の壁”なぜ? 批判受けラウンジ利用”一部可”も「スタアラゴールド」剥奪…担当者が語る理由

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ANAが「スーパーフライヤーズカード」制度を見直します。2028年8月以降、ラウンジ利用などに年間300万円のカード決済額が条件に。なぜこの「壁」が設けられたのでしょうか。

年間決済300万円で明暗 「PLUS」と「LITE」に

 ANA(全日空)が、いわゆる“上級会員”資格が得られる「スーパーフライヤーズカード(SFC)」の制度を見直すと発表しました。これまでSFC会員であれば利用できた空港ラウンジが、2028年8月以降はカードの年間決済額に応じて利用条件が変更されることになります。なぜANAはこのような変更に踏み切ったのでしょうか。

 今回の制度変更により、SFC会員は年間300万円のカード決済額を境に「SFC PLUS」と、そうでない「SFC LITE」の2つの区分に分けられます。

「SFC PLUS」は、年間300万円以上のカード決済が必要となり、現行制度と同様にラウンジが利用できるほか、ANAなどが加盟する航空連合「スターアライアンス」のゴールドステータスが付与されます。

 一方で、年間決済額が300万円に満たない「SFC LITE」は、ラウンジ利用は“条件付きで利用可”となります。さらに、「スターアライアンス」のステータスも現行の「ゴールド」から「シルバー」へダウングレードされることになりました。これにより、海外の空港などで利用できたスターアライアンス加盟航空会社の提携ラウンジが利用できなくなるほか、手荷物優先受け取りや優先チェックインカウンターの利用もできなくなります。

 なお、2026年4月に発表された初期プランでは「SFC LITE」はラウンジが一律で利用不可とされていましたが、ユーザーからの批判を受け見直しに。同年9月に「条件付き利用可」とする再設計案が発表されています。

 初期プランから見直しが図られたものの、「SFC PLUS」と「SFC LITE」を分ける“300万円のカベ”は維持されました。なぜANAはこの基準を保持したのでしょうか。

なぜ「300万円のカベ」は動かなかったのか

 報道陣の質問に対し、ANAの担当者は次のように説明します。

「300万円という基準は、ラウンジの混雑緩和を着実に進めることと、多くのお客様にラウンジをご利用いただきたいという、トレードオフの関係にある2つの目的を両立させるために、様々なシミュレーションを重ねた結果、必要であると判断した金額です。現状、年間決済額100万円に満たない方が4割近くいらっしゃる一方で、高額利用者のポテンシャルはかなり高いと考えております。年収に関する調査データや、外部ポイントからマイルへ移行されている実績なども参考に決定いたしました」

 では、「SFC LITE」において「スターアライアンス」のステータスがダウングレードされたのはなぜでしょうか。この点について担当者は、「それが主目的だったということは全くない」としたうえで、次のように説明します。

「ラウンジの混雑は非常に重い課題です。今回、ライト会員の方にも条件付きでご利用いただけるようにしましたが、一部とはいえ利用に制限がかかる以上、スターアライアンスの共通ルールに則り、ステータスはシルバーにせざるを得ませんでした」

 最後に、ANAの担当者は次のように利用者に理解を求めています。

「(SFC LITE会員に)一部サービスに制限がかかることになるのは、大変心苦しく思っております。ただ、当初案では一切ご利用いただけなかったANAラウンジを、羽田・成田では条件付きでご利用いただけるように変更いたしました。また、ANA便をご利用の際には、各種優先サービスは引き続きご利用いただけますので、この点をもってご理解いただきたいと考えております」