西武20000系のリニューアルが発表されました。製造元のメーカーへ、年月の経った車両を輸送して改修を行う「里帰り」の例は他社でも見られます。主な事例を3つ紹介します。
登場から26年でメーカーへ「里帰り」
西武鉄道が2026年9月、デビューから26年が経った20000系電車144両をリニューアルし、2028年から順次運行を開始すると発表しました。20000系が製造された日立製作所笠戸製作所(山口県下松市)に里帰りして改修を行うことになっています。
リニューアルなどの大がかりな車両の改造は、鉄道会社の車両工場や車両基地で行われるのが一般的です。西武では武蔵丘車両検修場(埼玉県日高市)に車両工場があり、サステナ車両の8000系(元小田急8000形)や7000系(元東急9000系)の改造は武蔵丘車両検修場で行われています。
大規模な改造を行う場合、複数の改造案件をまとめて施工する、または改造する場所が確保できないケースでメーカーに輸送して改造工事を行うことがあります。過去には西武の車両でもメーカーに運んでリニューアルを行った車両がありますが、ここでは他の私鉄も含めて、メーカーに里帰りした例を3つ紹介します。
東急5000系
東急の電車は、かつての東急車輛こと、総合車両製作所横浜事業所で製造された車両が数多くあります。2002年に登場し東急田園都市線などで使用される5000系電車もその1つで、改造のために総合車両製作所横浜事業所へ里帰りした車両があります。
最近の改造では、おもに保安装置の改修が行われています。改造された車両は外観に大きな変化は見られませんが、運転台を見るとパネルの配置が大きく変わっています。
また、目黒線用の5080系では、相鉄線乗り入れに際して運転台周辺の機器が改造されています。5080系の一部は、総合車両製作所横浜事業所に輸送して改造が行われました。さらに、東横線の5000系では事故で破損した車両があり、総合車両製作所横浜事業所に輸送して修理を受けたこともあります。
小田急30000形
小田急の特急ロマンスカーのうち、EXEの愛称がある30000形電車もメーカーに里帰りしてリニューアルを受けています。30000形は日本車両と川崎重工(現在の川崎車両)で製造された車両がありますが、いずれの車両も日本車両でリニューアルを受けています。なお、30000形はリニューアルを受けていない車両も残っています。
歴代のロマンスカーのうち、LSEこと7000形と、NSEこと3100形も車体修理(リニューアル)に際してメーカーに里帰りしています。両形式とも日本車両と川崎重工(3100形は前身の川崎車輌)製がありますが、いずれも日本車両で車体修理を受けたので、30000形のリニューアルと同じパターンになっています。
西武2000系
西武では、1977年から走る2000系の一部で、メーカーに里帰りして更新修繕(リニューアル)を受けた車両があります。新2000系と呼ばれる後期の車両では、一部の車両で車体・車内のリニューアルや、車いすスペースの設置などのバリアフリー化工事が施されました。この改修工事は、当時の東急車輛(現在の総合車両製作所横浜事業所)に輸送して行われています。
新2000系では、東急車輛製の車両と西武所沢車両工場製の車両がありますが、どちらの製造車両も東急車輛で更新修繕が行われています。
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ちなみに、車両の改造だけでなく、引退した車両がメーカーに里帰りしたこともあります。
東急の車両では、5000系デハ5015(1956年製)や7000系デハ7052(1965年製)などが現在の総合車両製作所横浜事業所に里帰りしています。JR貨物の機関車では、EF200の試作車901号機(1990年製)が引退後に製造元に里帰りし、日立製作所水戸事業所で保存されています。