奈良県を東西に結ぶ「大和高田バイパス」の未開通区間(第4工区)について、事業進捗の現状が明らかになりました。このバイパス、実は大阪方面の2方向から、奈良に至る計画となっているのです。
「大和高田バイパス」には未開通区間がある!
大阪と奈良を結ぶ有料道路の一つ「南阪奈道路」。それと奈良側で一体化しているのが国道165号「大和高田バイパス」です。2026年3月、この大和高田バイパスと京奈和道の和歌山方面を結ぶ「大阪方面接続ランプ」が開通し、近畿道からノンストップで京奈和道に直結できるようになりました。これにより京奈和道が途切れる「新堂ランプ」交差点(奈良県橿原市)を先頭に発生していた渋滞の大幅な緩和も確認されています。
ただ、大和高田バイパスは本来、南阪奈道路とのみ直結する自動車専用バイパスというわけではありません。橿原から来ると、南阪奈道路の手前で分岐する計画となっているのです。その未整備の分岐部についての進捗が、2026年9月に行われた近畿地方整備局の事業評価委員会で共有されました。
大和高田バイパスは奈良県香芝市穴虫から橿原市四条町に至る14.4kmが計画されています。橿原側より1~5工区に分かれており、このうち1~3工区が設計速度80km/hの高架線で、南阪奈道路と一体になり葛城・大和高田・橿原3市を東西に貫いています。
未整備なのは4工区2.3kmです。高架の3工区から北西へ分岐して平面道路となり、近鉄南大阪線の当麻寺駅(葛城市)付近で5工区に接続します。
5工区(4.9km)は31年前、1995年に2車線の平面道路として大部分が開通しており、香芝の穴虫交差点で国道165号現道に接続しています。このバイパスの本来の姿は、南阪奈道路よりも北側の府県境に向かって、西名阪道の柏原ICおよび大阪府柏原市へと抜けるルートなのです。
細~い府県境の峠に突っ込む構造に?
1~3工区の高架区間と全く異なる役割を担う5工区は現在、実質的に県道30号御所香芝線と一体になっていますが、この県道の交通量が増加していることから、4工区の開通で円滑化が期待されるといいます。
そもそも国道165号現道の奈良県内は多くの鉄道と交差する市街地ルートのため踏切が多く、抜本的な解決策として大和高田バイパスが計画されました。香芝の穴虫から橿原の四条町までの所要時間は、国道165号現道経由に比べ、大和高田バイパスが全線開通すると約21分短縮の18分になるといいます。
1~3工区も2003年までに整備されており、それから20年以上が経過した4工区については道路計画の合意に時間を要してきたものの、順次合意が得られているそうです。現在は工事着手に向けた設計を進めているといいます。2026年3月末時点での用地進捗率は約93%(面積ベース)、事業進捗率は約89%ですが、一部で用地取得が難航している箇所もあるとのことです。
ただ、香芝の穴虫付近には同じく奈良を東西に貫く「中和幹線」も接続しており、そこから国道165号1本で大阪へ通じているため、特に大阪府内に入った後の柏原市街などが慢性的に混雑しています。国道165号の府県境区間については、拡幅事業「香芝柏原改良」が進められています。