生き残っていた「ヤマハのド定番」ホントに48年の歴史に幕! 日本で終了してからの「残りの5年」で現地に残したモノとは? SR400

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ヤマハのロングセラーSR400。2021年の国内生産終了後も一部の国で生き残っていましたが、ついにそこでも販売終了に。ただ、現地の熱は冷めやまないものがあります。

全ヤマハファンを泣かせた「SR400販売終了!」←日本はね。

 ヤマハのロングセラーモデルだったSR400は2021年にファイナル・エディションが発売され、日本国内では姿を消しましたが、その後も継続販売し、新しいモデルまで発売されていた国がありました。その国でも2026年春には販売終了となり、SR400の新車は本当に姿を消すことになりました。

 日本での「ファイナル」からさらに5年のあいだ、海外で受け入れられていたSR400というモデルを、改めて振り返ります。

 SR400は、1975年リリースのXT500というビッグシングルトレールモデルのエンジンやフレームをベースにして1978年に登場した中型の単気筒モデルです。「大人のユーザーがゆったり楽しむバイク」といったコンセプトでの登場でした。

 他方、70年代から80年代にかけての日本のバイクシーンにおいてSR400と同クラスは4気筒モデルが人気。また50ccスクーター、レーサーレプリカといったブームもあり、この時勢の中ではSR400は少々地味な存在で、発売から10年ほどは、そう注目を浴びるバイクでもありませんでした。

 しかし、これらのブームが落ち着いた80年代後半にようやくSR400のシンプルな構造と不変を貫く存在に注目が集まり、大ヒットに至ります。さらには90年代に本格化するネオクラシックブームの火付役となり、以降「ヤマハを代表するバイク」として君臨し続けました。

 21世紀に入ると、年々厳しくなる排出ガス規制に対し、もともとがシンプルな空冷単気筒エンジンのSR400の適合は、多額のコストを伴うため採算が合わず、2021年に生産終了へ。多くのユーザーが惜しむ中、その43年の歴史に幕を閉じました。

……と、ここまで日本におけるSR400の概要なのですが、生産終了前後に予期せぬニュースが飛び込んできました。なんとヤマハの磐田工場では生産終了のはずのSR400が、引き続き製造され続けていて、タイに継続して出荷されていたのです。

日本の「ファイナル」後も新モデル続々!?

 タイでSR400の販売がスタートしたのは2014年のことでした。初期モデルは、現地独自デザインのモデルや、過去の日本での限定カラーを流用したものなどがラインナップされました。

 日本での生産終了後の2022年には、モデル生誕44周年を祝うSR400リミテッド・エディションが400台限定で登場。初代のカラーリングをまとったモデルで、44年前の初代SR400の登場がそのままタイで再現されたような錯覚を覚えました。

 その後2023年には続けてシルキーホワイト、マットグレーメタリックといった新色モデルが登場。さらに様々なカラーリングがラインナップされていくのだろうと思った矢先、2025年には突如“悲しい名”のモデルが発売されます。

最終モデルのSR400にはなぜかG-SHOCKが特典に

 それが、SR400ファイナル・エディションでした。タイでのSR400継続販売が知らされてからわずか4年で、終焉を感じさせるモデルの登場は残念な気持ちになりましたが、さらに2026年には「これが本当の最終モデル」とばかりにSR400ファイナル・リミテッド・エディションが登場。限定700台の販売で、本モデルを持ってタイでのSR400も終了となりました。

 ちなみにファイナル・リミテッド・エディションの購入者には、特別コラボのG-SHOCKが進呈されました。さほど親和性を感じないSR400とG-SHOCKに「なんでまた」と思いましたが、タイの人々からすれば、「この2つこそ日本のロングセラーの代表格」として同列に映るのかもしれません。

 タイでのSR400の販売期間は2014年から2026年までの12年間でした。かなり短くも感じますが、それでも日本仕様の生産終了後、タイから届くSR400関連のニュースは不思議と嬉しい気持ちになったもので、その点ではタイ・ヤマハと、タイでSR400を好み乗ってくれたユーザーには感謝したくなります。

まるで「90年代SR400全盛期の日本」だが、確実に違う!

 ところで、タイは世界屈指のバイクカスタム王国です。実は2014年の発売当初から、SR400に対してカスタムベース車として熱い視線が注がれていました。

 フラットトラッカー風、スクランブラー風、アメリカン風、レーサー風など様々なカスタムモデルが登場しましたが、驚くべきは、これら社外パーツなどをふんだんに取り入れたカスタム例について、現地ヤマハの公式ショップ「YAMAHA RIDERS CLUB」がプッシュしているところです。

 日本のメーカー直系の公式ショップなどではあり得ないことですが、この点もまた「バイクの自分流にカスタムするのが当たり前」のタイならでは、とも思いました。

 もちろん「YAMAHA RIDERS CLUB」の公式プッシュ以外にも、タイにおけるSR400のカスタム例はネットで多く目にすることができます。その盛り上がりは、90年代の日本におけるSR400カスタム全盛期を彷彿とさせ、この現象もまたタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。

 ただし、確実に当時の日本と違うこともあります。それはタイのカスタムの“完成度の高さ”です。

 当時の日本のSR400カスタムは「アレコレ社外パーツをポン付けしすぎて、結果的になんかチグハグ」「カフェレーサーのポジションなのに、ハンドルはダートトラッカー」といった間違えちゃった系カスタムも多く、これらとは到底比較できないほどのクオリティのものばかりなのです。

 中にはコンプリートモデルなのではないかと錯覚させるほどの完成度の事例もあり、こういったカスタム事例を見ると、「SR400生産終了」というニュースも、そう寂しく感じなくなります。すでに姿を消したモデルでも乗り手の息吹を与えて生き返らせる、という意味において、タイのカスタムビルダーたちは本当に素晴らしいです。彼らの手にかかったSR400は、これから先も長く走り続けるバイクになると思います。