【ジャカルタ時事】インドネシアのプラボウォ政権への逆風が強まっている。今週には首都ジャカルタで大規模な抗議デモが発生。生活費高騰への不安が広がる中、プラボウォ大統領肝煎りの「無料給食」事業や汚職への不満が表面化し、政権側は対応に苦慮している。
27日、ジャカルタの国会前には複数の市民・学生団体が集まった。数千人が参加したとされるデモは、夜になると一部が警察の拠点やバイクに火を放つなど過激化し、当局は催涙ガスを使って沈静化を図る事態に追い込まれた。
デモに参加したバイクタクシー運転手のリアンさん(30)は「あらゆるモノの値段が上がっている」と窮状を訴える。中東情勢の悪化や通貨安を受けた生活コスト上昇への懸念が高まる中、無料給食事業に取り組む高官らの汚職が相次いで発覚。リアンさんは、事業の停止や汚職の厳罰化を求めた。
無料給食は政権の看板政策として2025年1月に始まった。他省庁の予算を大幅に削減して事業の全国展開を急いできたが、給食で食中毒が頻発したほか、食料品の価格高騰につながっているとの批判も出ており、見直しを求める声が根強い。
有力紙テンポの調査機関が26日発表した世論調査によると、政権の仕事ぶりに満足しているとの回答は37%にとどまり、昨年12月の75%から大幅に低下。現在の経済状況については68%が「悪い」「悪化している」と答えた。
インドネシアでは25年8月にも、高額な国会議員手当への反発に端を発したデモが起きた。警察車両にはねられたバイクタクシー運転手の死亡をきっかけに激化し、デモは全国に拡大。10人を超える死者が出ていた。
〔写真説明〕インドネシアの国会前で行われた抗議デモ=27日、ジャカルタ
〔写真説明〕インドネシアの国会周辺の道路で燃やされるごみ=27日、ジャカルタ