死者289人、負傷者4100人超=災害対応に「政治利用」批判も―コロンビア地震1週間

紫外線対策「目の防護」も重要に

 【サンパウロ時事】南米コロンビアで10日に起きたマグニチュード(M)7超の地震は発生から1週間が過ぎた。政府発表によると、死者は289人、負傷者は4100人を超えた。就任4日目から災害対応に追われたデラエスプリエジャ大統領は、被災地を訪問し精力的に情報を発信。一方で、初動を巡る混乱が報じられ、災害対応に「政治を持ち込んだ」との批判も上がる。看板政策に掲げた治安対策に加え、復興をどう進めるかが新政権の試金石となる。
 ◇複数要因で被害拡大
 地震による行方不明者は143人。被害が特に大きい西部カリやペレイラでは、いまだ捜索活動が続く。被災者は約18万6000人、損壊家屋は2万6900軒以上。300回以上の余震が観測され、一部被災地では大雨による水害も発生している。
 カリにあるバジェ大学のエルキン・サルセド教授(地震学)は「地盤や建築物の構造など、複数の要因で被害が大きくなった」と指摘。震源地の西部チョコ州は、アフリカ系住民や先住民が多く、経済的要因から耐震基準に満たない造りの家が多い。左翼ゲリラ残党など武装組織の勢力が強い農村地域では、多くの住民が都市部へ移住。その結果、都市部では「居住に適さない土地にも住宅が建てられた」という。
 ◇「売名」批判も
 地震発生時、新政権発足に伴う災害対応機関のトップ交代は完了していなかったと報じられている。海外からの支援受け入れなどを巡り、初動時に新政権との間で食い違いが生じていたもようだ。
 これまでに約20カ国から支援を受けたが、政府が救援隊受け入れを認めたのは米国やイスラエルなど新政権と関係が近い国のみ。左派のメキシコ政府が派遣した救助隊は、「資格証明」不足を理由に受け入れなかった。
 デラエスプリエジャ氏は、自分の妻に企業からの寄付調達を担わせており、災害を利用して「身内の売名を図っている」との見方もある。野党側は批判を強めており、市民の間で不満や懸念が広がれば、今後の政権運営に影響が出る可能性がある。 
〔写真説明〕コロンビアの地震被災地で捜索活動をする救助隊=16日、カリ(EPA時事)
〔写真説明〕バジェ大のエルキン・サルセド教授(本人提供・時事)