【サンパウロ時事】ブラジルで10月に行われる大統領選の立候補受け付けが15日締め切られた。出馬を届け出たのは、通算4期目を目指す左派の現職ルラ大統領(80)ら13人。ルラ氏に対抗するのがジャイル・ボルソナロ前大統領の長男で右派のフラビオ・ボルソナロ上院議員(45)で、事実上の一騎打ちとなる見通しだ。
中南米地域で左派から右派への政権交代が続く中、ルラ氏が続投できるかが焦点。中南米への関与を強めるトランプ米政権は親米右派政権を望んでいるとみられ、米国による「選挙介入」が懸念されている。トランプ政権は7月、ブラジルに対して追加関税を発動し、緊張が高まっている。
ルラ氏は、トランプ大統領と近い関係にあるフラビオ氏を「祖国を売り渡した裏切り者」と批判し、「父親よりもひどい」と攻撃。フラビオ氏は現政権を「無能で汚職にまみれている」と切り捨て、ルラ氏の「汚い手」から国を解放すると主張している。
各種世論調査で、ルラ氏は支持率トップを維持するが、フラビオ氏が差を縮めている。10月4日の第1回投票で有効票の過半数を獲得する候補がいない場合、上位2位による決選投票が行われる。今月14日に地元テレビ局グロボが報じた世論調査結果によると、第1回投票の予想得票率はルラ氏38%に対し、フラビオ氏は31%。決選投票ではそれぞれ43%、40%になっている。
16日に正式に始まる選挙戦で、ルラ氏は貧困対策や労働環境の改善などの実績を訴える方針。ただ、高齢への懸念や多選批判のほか、息子が汚職に関与した疑惑が発覚しており、盤石とは言えない状況だ。政権の支持率は4割台後半で推移し、不支持率とほぼ拮抗(きっこう)している。
フラビオ氏は公共支出削減や、有権者の関心が高い治安対策を前面に打ち出す。だが、父親と比べカリスマ性に欠けると言われ、巨額詐欺事件で逮捕された元銀行家とのつながりも明らかになった。岩盤支持層以外の支持拡大が課題だ。
〔写真説明〕ブラジルのルラ大統領(写真右、AFP時事)とフラビオ・ボルソナロ上院議員(同左、EPA時事)